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カテゴリ:幼稚園のこと
Aちゃんはとっても元気のいい女の子。
年少さんとは思えない頭のよさと器用さ、アイデアを持っている。Aちゃんが空き箱や紙で作る工作はいつもみんなの羨望のまと。歌や踊りが大好きで、友達と一緒でも1人でも、カセットテープをかけては踊りまくっている。 ちょっとしたことでも笑い転げて、「がははは~」と可愛い顔に似合わない豪快な笑い声を上げる。そのうえ友達にも優しく、友達が泣いていると慰めたり、工作を作ってあげたりするので、友達からも好かれている。 好奇心旺盛で、新しいことにも果敢に挑戦。口も立つし、自分の意見ははっきり言える。 そんな明るくて優しいAちゃんではあるけど、なぜか、毎朝幼稚園に泣いてやってくる。 お母さんの手を握りしめて登園してきて、テラスで毎朝欠かさず涙の別れをする。 「抱っこして」と何度も言って、お母さんに何度も抱っこしてとんとんしてもらい、「早くお迎えに来てね、絶対よ、一番に来てね。」と確認し、それでも「待って、もう一度抱っこ」としがみつく。 お母さんも優しい人で、イライラするでもなく、ニコニコとその毎朝の儀式をしてくれる。 お母さんがついに「じゃあね」と帰ってしまうと、Aちゃんは私に抱っこされてひとしきり泣く。30秒くらい。 すると、「ふう」とひとつ息を吐き、(まるで「さて」と言うかのように(^^;) いきなり笑顔になる。 「ねえ先生、今日は○○くん来た?きのうはカゼでお休みだったでしょ?もう直ったかな?あのね、Aちゃんちでも、赤ちゃんがカゼひいてて、この間お熱があったんだよ。それでね…。」とまだ涙のあとの残ってる顔で、おしゃべりが始まる。 その後はもうさっさとカバンを片付け、平気で遊び始める。 まるで「お約束」のように毎朝泣くのはなぜなのやら…。 お母さんも「帰ったら楽しそうに幼稚園の話を聞かせてくれるし、友達も優しくて好きだって言うし、来てしまえば平気なのに、どうして毎朝こうなんでしょう?」と不思議顔。 Aちゃんの遊んでいる様子は生き生きとしていて、いい子を演じているとか無理しているなんてとても思えないし。 Aちゃんにとっては、毎朝泣いてお母さんを引き留めるというのは、気持ちの切り替えに必要な儀式なのかもしれないなあ。 お母さんが好きだから、そんなにあっさりお母さんと別れたくはない。でも来ちゃえば、まっいいかあ、楽しいし。という感じ? まだ3歳だから、誰でも多かれ少なかれ、お母さんと離れるのは不安だという気持ちはあると思う。それを全然感じさせない子もいるし、Aちゃんのように派手に表現する子もいるし、いろんなタイプがあるけど、みんな自分なりのやり方で、乗り越えていくんだろうなあと思う。 どうせなら泣かずにくればお母さんも気が楽なのにと思うけれど、それがAちゃんにとって必要なことなら、気が済むまでするしかないんだろうな。きっといつか、この儀式から卒業する日がくるだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.03.25 07:37:49
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