哀悼 伊藤俊人さん
特に意識していた俳優さんではなかったけれど、突然の訃報に驚き、日に日に残念な気持ちがこみあげて哀しくなる。きょうは告別式が執り行われ、その様子がテレビで報道された。ちょっとクセのある、脇役ながらとても印象に残る俳優さんだった。親交の深かった三谷幸喜氏の哀悼の言葉も胸に残る。“「脇役」はあるけど「脇役俳優」というのは無い。将来、歳を重ねるごとにいい味を増し、代表作となる主役にめぐりあうはずだった…”本当にその通りだと思う。 人って誰しもその人なりに「似合う年齢」というのがあるのではないだろうか。20代で輝いている人もあれば、40代、50代で大輪の花を咲かせるような。ピアニストとして一躍有名になったフジ子・ヘミングさんはすでに60代。波乱万丈の人生経験を経て、ようやく私たちの前で演奏する機会に恵まれた頃、その音色はまさに、今まで聴いたことのない、生命力溢れる「魂」の響きであり、だからこそ多くの人々の心を捕らえて離さない。フジ子さんのすごいところは、今までクラシックに関心のなかった人にさえ、その素晴らしさが解ることだ。 輝いている人を見るのは、とても気持ちが良い。だからこそ、これから…という時に志なかばで運命を断たれることは、本当に残念でならない。もう伊藤俊人さんの演技が見られないんだなぁ。認めたくないけれど、見送ってあげなければならないのだ。告別式では多くの人々が沈痛な表情で参列していた。泣きそうな顔の鈴木京香さんも。 「王様のレストラン」が観たくなった。そのうちにビデオを借りて観よう。伊藤俊人さん、いつまでも忘れません。ご冥福を心よりお祈りいたします。