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2007年01月30日
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カテゴリ:読書感想文
このところ読書記録をサボっていたので、少しまとめて。


オーランドー(ヴァージニア・ウルフ/ちくま文庫)
へんな本。しかしこの奇妙さ加減にたまらずはまる感じ。長い解説を読んでいろいろ納得、でも解説がなくても十分楽しめる。
前半に出てきた、大寒波の冬のロシアのお姫様との恋の場面、若さ、透明感、危うさ、残酷さ、愚かさが存分に漂って、読んでいて夢中になった。

グレート・ギャツビー(スコット・フィッツジェラルド/中央公論新社・村上春樹翻訳ライブラリー)

うわさの構想20年、村上春樹のギャツビー。村上春樹の翻訳は、いつも村上色が出すぎてだいぶ気になるのだけれど、今回はあまり気にならなかったように思う。村上色が出ていなかったというよりは、ギャツビーへの村上春樹の強い思い入れとそれから出た渾身の作業が、よい成果につながった感じ。愛すべき本になった。ちょっとあとがきの「言い訳」が長いけど。

小さな町で(シャルル=ルイ・フィリップ/みすず書房)

20世紀初頭、フランスの超田舎町を舞台にした、のどかで残酷なショートショート。レイモンド・カーバーを思い出すけど(わたしくらいかな?)、舞台が古くて素朴なので、また違う雰囲気。

睡蓮の教室(ルル・ワン/新潮クレスト)

わたしが好きな文革もの。こちらの著者は、中国系オランダ女性作家。少女の目から見た文革が、平易に生々しく書かれていて、伝わってくるものは大きい。しかしあのラストはどうなんだ?なんかほかに小説を終わらせる方法はなかったんだろうか。

世界でいちばん面白い英米文学講義(エリオット・エンゲル/草思社)

本のタイトルは言いすぎだけど、そこそこ面白かったのは確か。正しくは「英米文学講義」ではなくて、大物英米作家の素顔紹介といったところ。知っている話は多かったけれど、ディケンズの章「同じ作品を同じ読者に三度売った天才山師」には「へー!!」。ディケンズ、山師っていうよりは、優秀なアイデアあふれるビジネスマンだったのね。





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最終更新日  2007年01月31日 12時28分13秒
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