|
カテゴリ:読書感想文
碁を打つ女(シャン・サ/早川書房)
フランスに留学した中国人女性がフランス語で書いた小説で「高校生の選ぶゴンクール賞」受賞作。日中戦争時の中国を舞台に、満州人女学生と、日本人士官の恋を描く。 端正で情熱的ないい小説だったんだけど、主人公の士官があまりに精神的に厳格すぎて、不埒にもコメディみたいに思えてしまった・・・。短い1章ごとに女学生の視点と士官の視点の文章が繰り返される形式で、言葉を交わさず碁盤をはさんで相手の考えや状況を推測しあう2人の読みが(特に生真面目士官が)、わりと的外れだったり、でも的外れに見えて実は本人も意識しない深層心理だったりするところが面白かった。仏語小説なので、日本人には常識なことがらにまでちょっと変てこな注釈が入っているのも、魅力的。 しっかしこんな性描写多めの小説が、高校生に好まれて賞に選ばれるあたり、やっぱりフランスってすごいよね。 シャン・サという素敵な名前の著者は、画家のバルティスの家に寄宿していたことがあるそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年05月30日 09時32分24秒
コメント(0) | コメントを書く
[読書感想文] カテゴリの最新記事
|
|