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カテゴリ:素描
建物の通気口から秋を間近に控えた気が入り込む。 まだリハーサルだというのに本番さながら、 夏物を来ているわが身には足元から寒さが全身に伝わる。 晴れているものの陽射しも空もどんよりしていて、 霞がかかった街全体はアレルギーをおこした角膜のよう。 わたしの脳にも靄がかかり、そこから鈍いがしつこい痛みを放つ。 その痛みでわたしの顔には、なかなか笑顔が浮かんでこない。 人恋しい季節というのは人肌恋しい季節ということなのか…… 息子はいつになくわたしの傍らにぴったり身を置き用をこなし、 ペットの仔兎でさえもわたしの影が視覚に入るやいなや、 檻の出入り口で後ろ脚立ちし、両手を打ち付け抱っこねだる。 抱っこすればうっとりとした顔つきで身を委ね、 檻の中に戻そうとすれば、はっきり嫌がりねばリにねばる。 窓辺に置いた観葉植物は、夏場に勢いよくふるっていた生育速度をゼロ近くにまで落とし、 そのうちでは、短い秋の間に冬への備えをしているのだろう。 わたしも植物に見習い冬支度。 夏物の代わりに秋冬の衣料をタンスにクローゼットにとしまいこむ。 作業が終わりソファに腰掛けほっと一息していると、 わたしの全身は夕陽に照らされ茜色に染められていく。 窓から差し込む西陽の影は夜の長さに比例して、 これから更に長く長く奥深くまでその腕を伸ばしていくのだろう。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015年09月20日 23時37分31秒
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