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Maryam's HP 日記

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Hiro Maryam

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2016年07月15日
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カテゴリ:素描





陽の落つも熱冷めやらぬ夜、
今宵の月は如何ばかりかと、きざはしを昇り空仰ぎ見れば、未だ半ばの御身なれど影は、いとさやかにて闇をうち照らしおはす。




その場を掃き清め、例となりし打ち水をすれば、その水の面(おもて)を涼やかなる風の御手が愛で撫づる如くに来ては去り、去りては来(く)。

風は分け隔てなく、あめつちのさかひ馳せ、この罪深き身にさへ慈を吹き篭むる。吾が手もまた、おのづから傍らに伏す犬の長き鼻面(はなづら)を撫でつゝしばし今宵の月を眺め居る。





************





陽は落ちたもののそんなにすぐには熱気が冷めない夏の夜、
今夜のお月様は如何なものか?と階段を昇って屋上に行って空を仰ぎ見ると、
まだ半分ほどしか満ちていない御身ではあるけれど、その光はくっきりと澄んでいて闇を明るく照らしてらっしゃる。



屋上を掃き清めて、いつものこととなった打ち水をすると撒いた水の上を涼しい風の、風神様の御手が優しく撫でていくように去来していく。



風は、風神様は分け隔てなく天地の界を駆けて、罪深い私のこの身にさえも慈愛を吹き込む。風に慈しまれたのを感じたこの私の手も自然と私の横に伏せをしている犬の長い鼻面を撫でながら、しばしの間今宵の月を愛で眺め居るのだった。














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Last updated  2016年07月15日 05時03分13秒
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