テーマ:最近観た映画。(39926)
カテゴリ:◇Movie
映画は好きだけど、閉所が苦手な私にとって
映画館で映画を観るのはあまり好きではないのですが、 気になる映画があれば気合いをいれて観にいきます。 公開されたばかりの作品をすぐ観にいく! ‥というのは滅多にないのですが、 今回のこの映画は前々から気になってしょうがなかったので、 先週より公開された、ジャン=ピエール・ジュネ監督作品 『ロング・エンゲージメント』を観てきました。 <!--この先より、ネタバレ内容含みます--!> まるで普通の映画を合わせて3本分観たような、 実に繊細かつ巧みな表現で、見応えたっぷりでした。 はじまって早々の激しい戦闘シーンは、 『プライベート・ライアン』を彷彿させるものがありましたが、 あの映画とこの映画とでは描きたいところが全く違うし、 対して安楽のシーンとのギャップがまた効果的で、臨場感あって良かったです。 画の美しさは健在で、1カット1カットをとってみても絵になります。 独特なカット繋ぎや話の進め方も個人的には大好きです。 『アメリ』の時でも同じ表現手法があったけど、 一番好きなのは、編集時に通常消されてしまう様な 「風」や「雨」や「海」の自然音を、あえてしっかりいれているところ。 特に「風」が好きらしく、突風の中の色褪せたような黄みがかったシーンは、 まるで自分の中の記憶にある昔の情景のよう。 あとはマチルドが「願かけ」するシーン。 私も幼い頃から今に至るまで、まるで神だか悪魔だかに支配されているかの様に、 無意識に頭上で囁かれているような「言葉」や「イメージ」が 思いもよらないふとした瞬間に浮かぶ。 「いま通り過ぎた車のナンバーの下一桁が5だったら願いが叶う」とか、 相手と会話していて、 「次に口を開くときは、こういったトーンで○○と話せ」といった命令形まで 本能とは裏腹に瞬時に浮かび、それを必ず実行しなければいけない気にさせられる。 「こんな感覚が自分以外の他人もあるのだろうか…。」 「もしかしたら自分は異常なのではないか」と、昔から不安になっていたのですが、 『アメリ』やこの映画をみて、自分だけではない事を知り、 密かにひと安心したのでした。 だからマチルドが不安でどうしようもない日々を送るなか、 頭の中で次々と浮かび続ける「言葉」と願いをかけるシーンに とてつもない親近感を抱いてしまいました。 決して受け身でなく、観ている側に想像させて愉しむ映画。 そういった映画が私は好きです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/03/20 01:55:18 AM
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