昭和歌謡シアター 東京
オリンピック候補生・柴崎を擁する佐渡島第一高校陸上部は元日本代表コーチの厳しい指導の下、特訓に励んでいた。モスクワ五輪ボイコットにより果たせなかった自身の夢を柴崎に託すゆえ、行き過ぎた練習のため柴崎は靭帯損傷し選手生命を絶たれる。18年後、高校を卒業し上京した元陸上部の仲間は歌手となった元陸上部マネージャー・里美の再デビューのため小森の居酒屋に集まった。ブティックオーナー、ダンスインストラクターと道は違えどそれぞれ東京でがんばっていた。柴崎は陸上部コーチとして選手育成に、責任を問われ職を追われたコーチはパチプロでその日暮らし、ダンスを捨てた能藤はやくざとなっていた。そんな彼らに佐渡島第一高校の廃校の連絡が入る。思い出の場所がなくなる前にもう一度グランドに集まろうと小森は提案するが東京での暮らしは感傷を許さなかった。グランドに立つ小森のもとに一人また一人とかつての仲間が集まる。再起を胸に再び走り出す。「ここが狭いって?」とスクリーンが下り、廊下が映し出される。舞台をスタートし、廊下・階段・客席を走るリレーとなる。毎回タイムを記録していく。佐渡さんは元国体選手、いまじゃあゆみのライバル。これまでの昭和歌謡シアターの中で一番の出来。あゆみは18歳と36歳という年齢差を声のトーンで使い分ける。謝恩会の場面で【春なのに】を披露。ちょっと声量が足りないが雰囲気は出てる。前田の【おんな港町】は圧巻。謝恩会ではセーラー服を披露し、大森さん曰く「平成・昭和・大正」の三段オチ。しかしあゆみも「気を抜くと太る体質」と手厳しい脚本に苦笑い。稲葉にはダンス部として能見さんとのペアダンスという見せ場も用意してもらい、今まで以上に各個性がいかされた舞台。ハロメンを単なる客寄せとしていない。まあ、今のハローじゃ一般人の客寄せにはならんか。能見さんの切れた演技は前回同様、佐渡さん(「さど」じゃなくて「さわたり」)さすが。俺的には坂本さんよりも佐渡さんの方が好き。里美がコーチに憧れ、能藤・貴代の恋は語られるが、小森の柴崎への恋(第2ボタンで多少語られるが)や里美と小森の関係など後日談も気になるところ。歌謡ショーは【柴田あゆみ・赤いフリージア】【前田有紀・東京キリギリス】【稲葉貴子・人知れず胸を奏でる夜の秋】【石原詢子・淡墨桜】後藤あゆみ以来のソロ赤フリ!舞台だけど赤サイやってしまいました。前田もすごいけど貴子のピンクはすごい、劇場中に響き渡る。石原さん、だんだんキリコに見えてくる。40歳にしちゃ綺麗。いつ、和服で歌ったのかな?