写真は御廊下橋付近の従来の風景です。
桜の名所としても知られ、例年開花する頃は、道行く人の目を楽しませてくれる福井城址(福井市大手)ですが、今春は、まもなく完成予定(2008年3月29日完成式)の往時の姿に復元された御廊下橋(おろうかばし)が、訪れる人の関心を集めそう。
屋根と壁があり廊下のような形をしていたと考えられている往時の御廊下橋は、藩主の住まいがあった中央公園の県民会館付近(西三ノ丸)からお堀の内側の本丸までの途中にあって、藩主専用の通勤路として使われていたものです。福井県と福井市は築城400年を迎えたのを機に、福井城址の歴史的・文化的価値を高めるため、昨年(2007年8月)からその復元整備を進めていました。
復元・御廊下橋またはその付近から、爛漫と咲き誇る桜を観賞しながら、往時の反映していた頃の福井を偲んではいかがでしょうか。復元・御廊下橋の近くの石垣(本丸北西隅)の上には、完成(1606年)してから大火で焼失(1669)するまでの60年余の間、姫路城にも匹敵する威容を誇っていたといわれる四重五階(天守台含め高さ約40m)の天守がそびえ、その頃がふるさと福井の最も輝いていた時代ともいわれています。
大火で焼失した天守は、徳川幕府の方針で再建が許可されませんでした。その後、本丸の偉容を辛くも保ったのが巽(東南隅)、艮(西南隅)の両三重櫓と伝えられています。今、市民の間では、巽(東南隅)櫓を再建する声が高まっているとも聞きますが、天守再建が許可されなっかったという史実を踏まえると、天守跡は今のままにしておいて巽櫓を再建するほうが福井城址にふさわしいような気がします。
福井城址はJR福井駅から北西へ徒歩5分ぐらいのところにあります。