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2005/11/28
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カテゴリ:国語の勉強法
「国語は答えがいくつでもある科目だから」
なんていう言い方をよく耳にするが、そんなことはありません。
数学などと同じように、答えはひとつだけしかないのです。しかもその答えを決定するプロセスも、数学と同じようにデジタルで明確なものです。「なんとなく本文読んで」とか「てきとうにひらめいて」とか曖昧なものではありません。
「国語の答えはいくらでもあるから、なんでこれが答えって言われても困るけど。だってなんとなくそうだろ」
もしこんなことを言ってお茶を濁している先生がいたら、その先生は国語についてもっと勉強する必要があるでしょう。


物語でも評論でも、文章には型があります。「このテーマだったらこう書く」というのには暗黙の了解のようなものがあって、バリエーションはあまりないです。
たとえば、戦争について書くとしたら、これはもう「戦争はいけない、二度と繰り返してはならない」と書くしかない。
ほかのテーマでも、文章表現には「お約束」があって、お約束パターンに沿った方向に書かれることがほとんどです。だから、国語の問題の答えはそのお約束パターンの方向に合ったものが答えになる、ということです。
「戦争もときとして役に立つ」という選択肢は、答えにはなり得ないのです。


他にも例を出してみると、「日本とアメリカの比較」というテーマであれば「アメリカを尊重しながら日本について学ぶことが大事」とかそんな結論になります。入試の問題と言えども学校教育の一環ですから、「日本が一番すごい」「アメリカ最高」といった極端な意見は結論にはならない。「どっちも大事、みんな平和」と八方美人な意見にならざるを得ないわけです。
物語にも評論にも、型があるのです。
国語の問題を解くのに、こういったパターンの存在を知っていれば、方向を間違わずに正解に到達できます。
記述問題についても同様で、パターンが示す方向で書く以外に正答法はありません。
もちろん書き方は人によっていくつかありますが、書くべき内容は決まっている。この意味で記述は数学の証明問題と同じだと言えます。


「そんなこといっても、小説の受け取り方なんて人それぞれいくらでもあるじゃないか」と思う方もいるかも知れません。
しかし、そんなことはないのです。
物語というのは基本的に成長する方向で作られます。

少年なら青年へ、田舎から都会へ、ひとりからふたりへ、過去から未来へ、何かが成長する過程を書くのが物語です。(もちろん例外はある、しかし退行する物語は受験ではまず出ない)

物語の読み方は、何通りでもあるでしょう。
しかし受験において正解とされる読み方は、やはりひとつしかないのです。
そこには明確にパターンが存在します。
そのパターンを知ることは、国語の問題を解くルールを知ることでもあるのです。
ルールを知らずに、思いつきでなんとなく解くよりは、ルールにのっとって問題を読み、解くほうがはるかにラクで、正答率もあがります。


「国語の答えはいくらでもあるから勉強のしようがない」
そんなふうに思っていた人に、ぼくはこう言いたい。
「国語の答えはひとつしかない。文章の型を知ることが国語の勉強だよ」
続きはまた





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最終更新日  2005/11/29 01:48:47 AM
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