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カテゴリ:読書
中場利一「岸和田少年愚連隊」
おもしろい。 めちゃめちゃ面白かった。 ケンカ、ケンカでまたケンカ。 ケンカに負けて帰ると、父親は、「きっちり殺してこんか!」と怒り、 祖父は「ええか、ブスッと刺したあとでな、グリッてやらなあかんぞ、空気入れな 死なへんしな」という。 そして母はそっとなだめて、「アホなこといいな!」とフライパンを手渡して、 「殺さんでもええからな、これでコマク破れるくらいどついたり」 母は優しい。「はよ行きや、もうすぐバンメシやで」 うっかりほのぼのしそうになったおれだが、とんでもない一家であろう。 それともこれが普通なのか。 これが岸和田なのか。 どうなんだ、清原よ。 周りにこんなお方がいらしたら、これはもうたまったものではないが、眺めている ぶんには爽やかである。 全編、すべてどつきどつかれで終わるのだが、読後感はじつに気分よろしい。 ギスギスしてはいなく、毒毒しさもない。 まったくもって痛快なのである。 今のお子様方のイジメなどに比べて、後腐れは一ミリたりともないのである。 (実際は知らんけど) ぜひ読んで欲しい一冊、しかし子供には読ませていいものか、ちと悩む一冊なのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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