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カテゴリ:日々なる雑感
まだ噂の段階で何とも言えないのだが、それでも気になる噂なのだ。
その噂は日本のサイトではまだ出回っていなくて、海外の格闘技サイトで流れている。 ・ ヒクソン・グレイシー vs 桜庭和志 戦が現実味を帯びてきた?(ROCK'N'ROLL、格闘技、時事、E.R.Oその他) こちらにも情報。 (カクトウログ: 桜庭和志vsヒクソン・グレイシー、高まる噂より) 誰もが驚いた桜庭のHERO'S移籍も、ヒクソン戦の実現という珠玉のニンジンをぶら下げられたのなら納得がいく。 これが本当に実現するのなら、桜庭のことを非難した者もその姿勢を改めなければならないのではないだろうか。このカードは、PRIDEに対する忠誠とか、高田に対する恩義とか、ファンに対する信義とか、桜庭の移籍について語られたそういったマイナスの声を昇華して、炎上気分にさせるカードなのだ。 ヒクソンは2000年5月26日、船木誠勝とコロシアム2000(東京ドーム)で闘って以来試合をしていない。しかし、その間もPRIDEやK-1のリングに上がるという噂は何度もあった。それはすべて噂で終わって(とはいえそのうちのいくつかはただの噂ではなかったのだろうと思うが)、現在のところ実戦からは6年ほど離れている状態。これが普通の選手であれば、6年のブランクは問題ともなるのだろうが、ヒクソンについてはやはり別格と見るべきだろう。試合がなくてもトレーニングは欠かしていないだろうし、桜庭の対策もホイラーが敗れたときからしているはずだ。 そしてひとつ、ぼくが思うことは、 「ヒクソンが試合を受けることがあれば、それはヒクソン陣営が桜庭に100%勝てると判断したとき」 ということだ。ああ見えてどこの相場師よりも経営者よりも計算高いヒクソンさん、負ける戦はしない男である。あらゆる要素を分析して、「勝てる」と判断したカードしか受けない男だ。(だから無敗) この一戦、できれば5年前くらいに実現して欲しかったカードではある。だが、もし実現すればこれほどのビッグカードはふたつとない。作ろうと思っても作れないほどのストーリーを抱えて、ふくらまそうと思ってもふくらましようのないほどの幻想をふくらまして、見る側の心を扇情的に打ち鳴らす。 アコースティックなものになるのか、懐メロになるのか、どんな試合になるのかわからない。スイングするのか、ロックするのか、試合展開は幾通りにも予想される。 この試合は、PRIDEが追いかける「60億人の中の最強」というテーマともはずれているし、K-1・HERO’Sが作りたがっている「渋谷にいる若者が見たがる格闘技」とも違う。この試合にテーマを見つけようとすれば、どうしてもテーマは90年代の「打倒グレイシー」とか「UWF最後の戦い」とか、そんな懐古的なテーマを考えてしまう。それは、すでに過ぎ去ったテーマであり、今さら語るべきものではないのかもしれない。しかし、過ぎたことは過ぎたが、クリアーされたわけではないのだ。 やり残した宿題。しまいこんだ課題。解けなかった問題。 ラスボスを倒す手前でうち捨てられたRPG。 意志ではなく、雪崩によってかき消された物語。 打倒グレイシーも、UWFの行方も、途中のまま瓦解している。最後のピースを残して放置されたジグソーパズルのように、気持ちはぶらさがったままだ。それは消化不良のまま無理矢理のみこんだだけの話で、まだクリアーされたわけではないのだ。 この一戦は、ぜひとも実現して欲しいと思う。 ずっとひっかかっていた物語の結末を、見たいと思う。 しまい込んではいたが忘れてなどいなかった物語を、完結させて欲しい。 その物語とは、UFCの出現やパンクラス旗揚げ、第一回K-1グランプリなどのあった93年をから始まった日本の総合格闘技15年の歴史の分水嶺でもあるし、桜庭和志というプロレスラーの15年の到達点でもある。(桜庭は93年デビュー) この山を、登りたかったのだ。 横目にながめて諦めて、でもずっと登りたかった山。 夢が思い出にかわる前に、実際に踏みしめて欲しい。 それができるのは、桜庭しかいないのだから。 桜庭は、ぼくのアイドルだし、ヒーローだった。 桜庭と一緒に味わってみたい。桜庭に、連れて行って欲しい。 願わくは、ヒクソン試合受けろ。 そのために、谷川はカネ集めろ。 もう一度、爆発炎上させてくれ。 すべては、桜庭のもとに。 すべてを、桜庭のものに。 夢よ実現してくれ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006/05/26 02:41:32 AM
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