予シリ6年下 第1回 ・ 説明文・論説文の読み方(2
【 予シリ6年下 第1回 ・ 説明文・論説文の読み方(2) 】記述式の問題を中心に、解答の作り方を考えてみます。[基本問題]問2 「これら」とは何のことですか。【指示語の問題】1. 基本的には前を見る ↓ これ この → 近く ↓ あれ あの → 遠く ↓ それ その → まず近くを見て、なかったら遠くへ もし前になかったら、後ろをさがす2. 指示語の部分が主語のとき、まず述語をみてその内容を踏まえたうえで指示語よりも前を探す。 ↓ 指示語が含まれる一文はじっくり読むこと。――部分以外のところにヒントがあることが多い。 傍線部分は、「これら」だけだが、問題を考えるときはその一文全体をちゃんと読むこと。「初めて渡る鳥たちは、これらを利用するだけで最初から十分に飛んでいけるのでしょうか?」 指示語の問題は、指示語の部分を空欄にして、そこに当てはまる言葉が正解。つまり、「初めて渡る鳥たちは、 を利用するだけで最初から十分に飛んでいけるのでしょうか?」 としたときに、自分で書いた答えがちゃんと当てはまるか、確認することを忘れない。 に当てはまる「これら」は、「名詞」なので、答えも名詞となる。 指示語の内容は、それより前にあることが多い(「これ」の場合は直前の文)ので、直前の文から名詞を探す。 また、「これらを」とある、「~を」という形もかなりヒントになる。 直前の文から「~を」となっているものを探すと、「体内時計を」「コンパスを」とあるので、この二つが正解。問3 中学入試の国語では、ふたつのことを対比して考えている文章が多い。 この部分では、「一度でも渡りを経験したことのある鳥」と「未経験な若鳥」を比べている。1. 問題文 「一度でも渡りを経験したことのある鳥たちは、 何を 頼りに 軌道修正するのですか」 ↓ ↓ ↓ ↓ 鳥は を つかって 修正する( 問題文の言葉を、簡単な言葉に直して、それと対応するものを本文から探す ) 問題文の中から、「軌道修正」という言葉を得て、それを本文から探すと、L15「軌道修正」L30「修正」とある。 しかし、L15の部分は、参考にならない。国語の答えで、『抜き出して』などとあった場合は、傍線部分から抜き出すことはないというルールがある。 それゆえにL30「修正」にしぼって探すと、彼らが、A体内に遺伝的に備わったプログラムだけでなく、Bあとで学習したさまざまな地上の目印も 利用して ↓ ↓ ↓鳥が を つかって というように対応している。よって、1.一度でも渡りを経験したことのある鳥たち 2.未経験な若鶏たち の答えは、ここからもってくればいい。問4 1「何のために渡りなどするのでしょう?」 傍線部の問題は、「傍線部の前にヒントがある」という問題が多いのですが、この問題は[6]段落の最初が「では」とい話題を転換する接続詞で始まっているので、ここから前は別の話になっていて、ここから前にヒントがあることはない。[7]段落を見て、渡りをする利益とコストという二つのことを対比しながら、本文を読む。渡りの利益 もっと食べ物の豊富な場所があるのであれば、~~、そこで過ごしたほうが生存率があがる渡りのコスト 死んでしまう エネルギーを消耗し、次の繁殖での繁殖率が下がる こういったところを○や□で囲みながら、本文を読む。 これで問5も同時に解けます。 また、「一方」という表現は、「Aだが、一方Bでもある」とふたつのことを並べていう表現であるが、この場合Bに大事なことがきている場合が多い。問7 文章を二つや三つに分ける問題では、いくつかヒントがある。【段落分け問題】 1. 「さて」「ところで」「では」の話題転換語に注意 2. 文中の繰り返し語句や内容が、急に変わる。 (1.は邪道、2.は王道。しかし1.2ともにほぼ100%の確率で分かれる場所) 3. 時間、場面が変わる 4. 1から3がすべて駄目でピンチなとき → 逆接で始まる段落 (ただし信頼度はかなり落ちる) 5 結論の段落は、それだけ独立している。 たとえば、 12 - 345 - 67 - 8 (8が結論だとして、78とくっつくのはあまりない) この問題の場合、「では」「それでは」とあるので何も考えなくても正解が出る。 [発展問題]問4 を埋める問題は、 のうしろの言葉を見て、それに対応する部分を本文から探すと良い場合が多い。1 □をする 鋭い、よい言葉づかい をしたい2 □こと 文脈ごと言葉を覚える のがよい3 □文章を熟読して 自分を引きつける ものを熟読して4 □ようにし、 いっそう鋭く深く受け取る ようにする5 □ことが必要だ 自分の目で判断する こと 問題文と本文との対応を探す、これは国語の問題を解く上でよくあるパターンです。問5 文章を書くときに、同じことを表現をかえて何度も繰り返すことがあります。 自分の言いたいことを相手に伝えるために、主張を形を変えて繰り返すのです。「社会で存在を認められる単語」とあるので、「社会」「存在」「認める」といった言葉をキーワードにして本文を探します。ふたつ前の文に「人間社会にある一つの事実を的確にとらえ言語化したから、社会に存在を認められたのです」とあるので、その部分をつかいます。 問題は「どのような言葉」なので、答えの型は「~~言葉」となります。問6 「彼は二十万語の日本語を消化しようとした」とあります。彼は 二十万語の 日本語を 消化しようとした ↓ ↓ ↓ ↓大江さんは たくさんの 日本語を つかう(問題文の 指示語は言い換えて、ややこしい言葉やあいまいな言葉は簡単な言葉に言い換えて、考える)理由・原因の問題のヒントの探し方で、文の前後が「ヒント=答え」、「答え=ヒント」となっているパターンがある。 ヒント 答え 文 A ならば 文 B である 答え ヒント それと同時によくあるのが、 ヒント 答え 文 A でなければ 文 B ではない 答え ヒント と、逆のことを言っているパターン。 自分が区別して 使える 言葉の 数が多くなくては、ぴったりした表現ができない。 ↓ ↓ ↓ ↓ (こっちがヒント) つかう 言葉 たくさん (こっちが答え)問6 傍線部と、ひとつ前の文を比べてみます(6)それは その人 その人なのです。 ↓ ↓ 言葉をどう使うかは、 その人が保守的な態度をとるのか、 新しい態度をとるのかによって違う。 指示語の部分が主語であったら、その意味内容も別の文で主語の働きをするものである場合が多い。問12 「筆者は言葉を的確に使うにはどうすることが大切だと述べていますか?」 本文から、「言葉」「的確」「つかう」のキーワードを探すと、最終段落に「言葉を的確に運用できない」とある。 「筆者は 言葉を 的確に 使う にはどうすることが大切だと述べていますか?」 ↓ ↓ ↓(~がなくては) 言葉を 的確に 運用できないのですね「Aでなければ、Bではない」 → 「Aであれば、Bである」「単に言葉に敏感になるだけでなく、事実そのものをよく見る眼と心とを持つこと」 (36字)「はっきり見て、それをきちっと表現する心がまえ」 (22字) 以上のことから解答を作って、文末の「~すること」をつければ、解答はできあがります。解答例1 [言葉に敏感になるだけでなく、事実そのものをよく見る眼と心を持ち、それをきちっと表現する心がまえを持つこと](52字)ただし、これは正解になるには不充分で、満点の解答になるためには、これ以外に前半部分に書いてある、「自分が区別して使える言葉の数を多くする」 (19字) というのも入れてやらなくては満点にならない。解答例2 [自分が区別して使える言葉の数を多くして、事実そのものをよく見る眼と心とを持ち、それを表現する心がまえを持つこと] (55字) 重複する部分は削り、文字数を揃えました。また「きちっと」といった擬音は国語の解答に書いてはならない言葉なので、けして書かないように注意します。(この場合は文中の言葉なのであっても許されると思うが)