阿部さんの『テルマエ・ロマエ』を鑑賞
舞台はハドリアヌス帝時代、西暦130年代の古代ローマ。浴場を専門とする設計技師ルシウス・モデストゥスは、革新的な建造物が次々に誕生する世相に反した昔ながらの浴場の建設を提案するが採用されず、事務所と喧嘩別れしたことで失業状態に陥ってしまう。落ち込む彼の気を紛らわせようとする友人マルクスと共に公衆浴場に赴いたものの、周囲の騒々しさに耐えかね雑音を遮るため湯中に身を沈めたルシウスは、壁の一角に奇妙な排水口が開いているのを見つけ、仕組みを調べようと近づいたところ、足を取られて吸い込まれてしまう。不測の事態にもがきながらも水面に顔を出すと、彼はローマ人とは違う「平たい顔」の民族がくつろぐ、見たこともない様式の浴場に移動していた。ルシウスが見た「平たい顔族」とはアジア系有色人種の未来の姿、すなわち現代日本人であり[注 3]、ルシウスは浴場を使ったタイムトラベラーとなっていたのだった。これ以降、ルシウスは自分の意志とは無関係に度々「平たい顔族」の風呂へ訪れては、古代ローマと現代日本の世界を行き来し、それが自らの創意工夫によるものではないことに若干の後ろめたさを感じつつ、そこで得たアイディアをローマでの浴場設計・運用考案に活かし、浴場施設専門の空間プロデューサーとして名声を勝ち得ていく話の内容は、いまいち~~阿部さんの裸ばかり見たー