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カテゴリ:トルコ
なんだかいやにヘリコプターが近辺を飛んでいると思っていた、今日の朝。
お昼ちょっと前に夫くんから電話がかかってきて、夫くんが働いている、そして私たちが住んでいる大学の法学部の教授をねらった爆弾未遂事件が法学部の建物であって(爆発はしなかった模様)、さっき犯人の女性が捕まった、と。 (追加:帰ってきた夫くんに聞いたところによると、若い女性が体に約1キロの爆弾を巻きつけて、授業にやってきた教授のすぐ後ろで爆破させようとして失敗。その教授のボディーガードにその場で捕らえ押さえられたとのこと。授業と授業の合間の出来事で、周りにはたくさんの学生もいたとのこと。着火が失敗していなかったら本当に大惨事になるところだった。夫くんの授業も同じ建物であることもある、というから、さらにぞっと・・・。) 詳しくは聞かなかったのだけれど、どうもその教授は裁判所だか法務省だかの関係者らしい。 (追加:もと法務省の役人だったらしい。テロリストたちと過去に一悶着あったらしい) イスタンブルに比べ、数は少ないけれど、アンカラでもたまに爆弾事件が起こる。実際に爆発して死傷者が出ることはめったにないけど、ゼロではない。今回のような未遂事件は知らないだけで結構あるのかも。 でも、いままでは、私たちの生活圏内外の“ちょっと遠く”の話だった。 そして、今回、徒歩ほんの5分の距離での騒ぎ。 爆弾の量は知らないけれど、もし爆発していたら、もし大量の爆弾だったら、法学部とはちょっと離れたところにある、夫くんの建物にも影響があったかもしれない。何かの用事で法学部の近くに行ってたかもしれない・・・ と考え出したら、心臓がばくばくいいだした。 口では、トルコに住むって決めたときに、こんな爆弾事件にもし巻き込まれたとしても、そういう運命だったんだって、あきらめるしかない、とか言ってた私だけど、やっぱり腹をくくって、覚悟ができてたわけじゃなかったよう。 最近のトルコはすごく変。 民主主義から独裁主義へ。与党批判をするものは、国家転覆をもくろんだという口実で、証拠もないままに大学学長でも癌の治療中のものでもだれでもかれでも牢屋にぶちこむ。推定無罪、の法則ではここではなく、推定有罪。誰の電話でも政府は盗聴。以前の与党政党を解散せよ、という動きのリベンジのようにもうつる。墓場から大量の武器が掘り起こされたり、こうして身近で爆弾事件が起きそうになったり。 言論の自由もなし。多くのメディアは与党関係に買収されたけど、それ以外のテレビのチャンネルも、言いたいことを言えない状況。かなり気を使って言葉選んで話してる。だって、あら、そんなこと言っちゃって大丈夫?って思ってた人が次の日にはつかまってたりするから。 とある、偉い人が4月23日のお祝いの場でこんなことを言ってた。 「アタトゥルクの時代に、フランスの大統領がアタトゥルクに、どうやってこんな短期間にこんなに素晴らしい国を作り上げたんだ、って感嘆して聞いたという。 今のわれわれを見てみよう。あの時代から、フランスがすごく発展したのか、それともわれわれがとても後退したのだろうか・・・。」 アタトゥルクが“嫌い”な現与党、アタトゥルクが設定した4月23日のこどもの日のお祭りなんかも、近い将来なしにしようとしてるとか。“予算の関係”で。 国の祝日に政府の建物はアタトゥルクの絵が描かれた大きい旗を掲げる。 現与党の建物にアタトゥルクの絵はなく、現党首のでかでかとした写真が垂れ下がっていた。 背筋がぞくっとしたのは、私だけだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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