テーマ:日記を短歌で綴ろう(3493)
カテゴリ:短歌
<この拙き歌を新妻となる予定のK子に捧げる>
家と言ふ幸の形のいにしへの古き写真をことごとく捨つ 全力で断捨離を終へ父としての最後の文を子に出さむとす 商ひで訪ねて来るその人がわが妻となることの不思議さ *きたる 子は四人いずれも娘と言ひし人微かに笑みてわれを見たる日 君を迎かふ準備はすべて整ひぬ全力投球のこの一か月 震災の津波襲ひしその町に生まれし君が傍らに立つ 七十も半ばを過ぎて得たる君をわが掌中の珠として生く*しょうちゅうのたま わが余命幾歳あるや知らねどもただひたすらに君を守らむ *いくとせ 喜びも悲しみもまた共にせむたとへ果てなき道であるとも 幸薄きわが妻なるか震へたる君を抱きしめわれも嗚咽す *ふるえ*おえつ 雪の中二時間ほども語りたる多分あの時が恋の始まり これほどに深く愛せしことありやその人の名を幾度も呼ぶ *いくたび ああK子永遠に麗しき名の君にわが魂も癒されまほし *とわ *うるわし *いやされ 嗚呼妻よ君と縁の赤き糸はいついかにしてつながりたるや *ああ *えにし 美しき響き持ちたる君の名を呼べば微けき返事ありけり *うるわし*かそけき 今回の断捨離作業中、私は新約聖書の「コリント人への第二の手紙」の中でキリストが語った「愛」に関する言葉を必死に思い浮かべていました。私が教会に行ったのは50年以上も前のことで、ほとんど忘れていましたが、それでも2、3の聖句を思い出すことが出来ました。キリストが語る「愛」とは、無私無欲の行為。それだからこそ尊いのだと改めて感じた次第です。 ここに載せた短歌はどれ一つ現実ではなく、すべて私の心の中にあるものです。魂に潜む愛のカタチ。それが短歌となりました。人を愛するという行為。美しい日本語で短歌を詠むという行為。どちらも魂を清めるとともに、希望と勇気を与えてくれたと思っています。こんな歌が誕生したことに心から感謝しています。ではまた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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