巨星、堕つ
株式市場は5年一昔。今現在の有名人の大半は5年後に見かけなくなると言われます。時の流れも昔に比べると随分速くなっていますので、最近は3年一昔といった感じでしょうか。このサイトを開始した時に大活況だった「バリュー投資」も随分下火になってきました。バリュー投資といえば、当時バリュー投資を用いるバリュー投資家軍団に絶賛されていた銘柄は間違いなくフージャーズだったのですが、そのフージャーズの現状は今更説明する事もないでしょう。2,3年前まで、「フージャーズを持たざる者バリュー投資家にあらず、バリュー投資家でない者即ち投機家、つまり愚かなキャンブル中毒者なり」といった考えが蔓延っていました。現在は、真逆になってしまい、「フージャーズに投資していた者バリュー投資家にあらず、目先の事しか見えずにブームに踊らされる大衆投資家なりけり」といった感じです。全盛期の頃は、フージャーズはバリュー投資家の間で分析されまくっており、毎日十数個ほどのサイトがフージャーズの事について書いてあったものです。株主総会の日や翌日は、数十のサイトが、総会の様子やバリュー投資家同士の親睦会についての文章を書いていたものです。それが、僅か2,3年後の今年の株主総会については殆ど何処も書かれていない。こういった状況は、フージャーズの現状を如実に表しています。そして先日、遂に巨星が堕ちました。僕の大好きなサンシティは、よくフージャーズと比較され、貶され、馬鹿にされたものです。ただ、恐らく彼らに罪はない。彼らの判断も、確かに一つの投資手法としては正しいし、僕も彼らの主張をよく理解できた。ただ、彼らは純粋すぎた。努力は必ず報われると思っていたし、株式投資に王道があると信じて疑わなかった。現実は、努力に努力を重ねた人間の屍の上に今の株式市場が成り立っているし、同じように王道だと信じて疑わなかった手法が、一時期のブームに過ぎず、あとから批判され続ける羽目になっている。どうしてだろう?それは、最終的には一つの結論に辿り着く。つまり、「株価は常に適正価格」だからである。ただし、とここでいつもの注釈が加わる。何度も何度もしつこいくらい書いているが、「今日の適正価格は明日の適正価格とは一致しない」。失敗する事自体、恐れてはいけない。大切なのは自分が目標に辿り着ける事を心から確信し、努力を続ける事だ。