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2006.07.17
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カテゴリ:コラム
 クォーツショックから30年が経過し、現在機械式時計は目覚しい復活を果たし世界中の愛好家から愛されるに至りました。そして愛好家の関心は心臓部であるムーブメントに向くようになり、時計メーカーは彼らの関心を集めようとムーブメントの付加価値を高めることに必死です。その甲斐(?)あってムーブメントによる時計の価格差は大きくなる一方です。ブランドネームだけで価格が決まっていた時代よりは進歩したと言えるでしょうが、現在のムーブメントによる価格吊り上げ合戦が正しい方向とも思えません。そこで、ムーブメントの価値についてじっくり考えてみたいと思います。(多少偏った見方をしているかもしれませんがご容赦を...)

「第1回:そもそも何故ムーブメントに拘るようになったのか?」
「第2回:そもそも時計なのだから「精度」が価値ではないのか?その1」
「第3回:そもそも時計なのだから「精度」が価値ではないのか?その2」

「第4回:クォーツショック後、時計の価値はどのように変化していったのか?」

 機械式時計がクォーツショックからどのように復活したのか?というのは、精度以外にどんな「価値」を獲得したのか?と言換えることができます。つまりクォーツに比して精度が悪く、遥かに高価な機械式時計がなぜ沢山売れるようになったのか...一言で言えば「ステータス性」ではないでしょうか?これは私の勝手な推測ですが、クォーツがいくら正確で安価になったとは言え、かつて時計が高級品で、持つこと自体にステータス性があった時代に高価な時計を持つことができたような人達にとっては、安価なクォーツ時計を持つことに受け入れ難い抵抗感があったのでしょう。

 そしてこのようなニーズはかなり少なかったと思われますが、確実に存在し、一部のブランドはそれに答え続けました。また逆に、安価なクォーツムーブメントを搭載しながら、ブランドネームだけで高価な価格設定をするブランドも多数出てきます。どちらも「ステータス性」に訴える戦略に変わりないと言えますが、最終的に淘汰されたのが後者であることに疑う余地はないでしょう。(最近そういったブランドがこぞって「機械式」をアピールし始めていますが・・・)
 このとき「機械式=高級品」「クォーツ=安価」というような価値観が決定的になり、機械式時計が高精度な精密機械から高価な芸術品になっていったのではないでしょうか?やっぱり手間のかかったものはそれだけで有難味がありますから。

 機械式にこだわり続けたブランドとして有名なロレックスは、最も「高級品」というイメージ作りに成功したブランドと言えます。そのイメージは未だ衰えることを知らず、並み居る老舗ブランドを押さえ、人気・知名度はダントツです。もちろんこれは単に機械式というだけではなく、その機械を常に改良し、精度を高める努力を続けた姿勢が評価されたからでしょう。
 ただ多くの購入者が機械の「良さ」を知って購入しているというより「ロレックス=高級品」というイメージだけで購入しているような感はあります(これがイメージ戦略というものですが)。

 ちょっと脱線しましたが、20世紀末、クォーツショック後の機械式時計の価値は「ステータス性」を伴うブランドイメージに寄るところが大きかったと言えます。そのブランドイメージとは、機械式時計が本来持っていたステータス性を強調することで、クォーツとの差別化を図り「機械式=高級品(芸術品のような)」という「ステータスシンボル」的な価値観だったのではないでしょうか?そしてこの価値観は今も根強く残っていますが、21世紀に入って漠然としたブランドイメージから、具体的な機械の構造や製造者に価値を求める方向に、少しずつ変わってきています。

次回はこのコラムの本題である、現在の「機械の個性と価値」について考えてみたいと思います(最終回?)



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Last updated  2006.07.17 19:41:26
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