先見の明
米国中間選挙は民主党の圧勝で終わりそうな気配ですが、上院の過半数が取れるかどうかは、州法により再集計になる州も出てきており、もう少し時間がかかりそうです。 そして、相場への影響は予想通り一時的なものになりそうです。問題は明日の指標になりそうですね。この選挙でドルの地合は下向きになっており、明日BOEが予想通り0.25%の利上げを行い、改善しているはずの米貿易収支の赤字が思ったより悪いという結果になると、予想外の下げがあるかもしれません。ドル円では特に、前回安値の116ミドルが下抜くと、きっと116をつけに行く動きが出て115台にタッチする事になるでしょう。でも、その形が買い場としては最もわかりやすく、ロング派もショート派も大歓迎でしょう。私は、現在はドルベア(ドル売り)派ですが、次に底を確認したらドルブル(ドル買い)に転向する予定です。 さて、民主党の勝利の報道に引っ張りだこなのが、ヒラリー・クリントン上院議員です。私は次期大統領も大いにあると思っていますが、どうでしょうかそして、ビル・クリントン前大統領も「夫役」として、つまり脇役で出演しています。それを見て、面白い逸話を思い出しました。舞台はサミットだったか首脳会談だったか、忘れてしまいましたが、当時の我が国の森総理大臣は学の無さでは歴代トップで、英語力も政治家の中でもずば抜けて低かったのです。官僚達はそれでも何とか、体面だけはつくろおうと森氏に「とにかくクリントン大統領に“How are you?”と挨拶してください」と言いました。そして「そうしたらクリントン氏は“Fine thank you, and you?”と返してくるので、“Fine. Thank you”と返事してください」と言いました。森氏は、あの中身の無い笑顔で「任せておけ」と胸をはって出発したそうです。そしてクリントン氏に会った森氏は事もあろうに間違えて“Who are you?(お前は誰だ?)”と言ってしまったのです。クリントン氏は、一瞬驚いた顔をして絶句しましたが、そこは逆境慣れした大統領のこと“I am Hillary’s husband(私はヒラリーの夫です)”とジョークにして笑顔で返しました。 当時はヒラリー夫人の上院議員立候補が話題になっており、テレビなどへの登場時間はすでに夫の大統領より多かったのです。そして何もわかっていない森氏は“Fine. Thank you(それは素晴らしい。ありがとう)”と返事して、笑顔で握手をしたそうです。今、ビル・クリントン氏はまさにヒラリー・クリントン上院議員の夫という形になっており、森元総理大臣は先見の明があったとも言えますね。案外、良いトレーダーになれるかもです。