瑠璃を見たひと (伊集院 静) 本
一人の平凡な主婦が海を眺めていて、ふっと、これが私の人生なのか?もっと違う生き方があるのでは?とそのまま家を出てしまう。ひょんなことから一対の翡翠(豹のようにも見えるターティエ)を探す旅に出る。この翡翠を手にすると本当の権力と富を得られるという。話はいろいろな国へと移り変わる。この本の中で寂寥(せきりょう)という言葉が出てくる。『これ程人間が物哀しく、寂しいことを文字にした言葉はない』と続く。人間は寂しい生きものなのかもしれない。だから、友達を作り、好きな人を探し、一人なんだと思うと涙も出てくる。『人間らしい』と良く言う。私は人間らしいという言葉が好きだ。感情があり、、嘘もつく、相手を思いやり、人を傷つける。そこから何かを学べる人間。そういう人になりたい。