Rufus Wainwright@東京国際フォーラムホールC
23日、雪がやっと止んだけれど底冷えのする中、10年ぶりに来日したRufus Wainwrightの東京公演、ツアー最終日に国際フォーラムへ行ってきました。開場前から、すでに入り口にはたくさんの人。「チケット譲ってください」という紙を持っている人もいましたし、チケットは売り切れたのかな?かなり幅広い年代の方がいらしていたと思います。こういうとこ、素晴らしい。国際フォーラムのホールCは初めて入りました。足を踏み入れてすぐに、目に飛び込んできたホールの全貌に思わず溜息。すべて木目の壁、階段。木のあたたかみが直に伝わってきます。後で、あらためてこのホールの音響の素晴らしさを実感することになります。ひとり参加なので、SEに耳を傾けながらぼーっとして待っていました。Smithsやボウイが聞こえました。Smithsにはニヤニヤしてしまいました。変な人になってました。そして、19時をまわり、いよいよ開演です。客電がパッと落ち、大きな拍手が鳴り響きました。それと同時に、ステージ上方から、2つのミラーボールがニョキっと出てきます。おお。バンドメンバーがステージに現れ、イントロを奏でている間に、ルーファス登場。すごい。すっごい。何がすごいって、服が(笑まるでどこかのエルトン・ジョンを彷彿とさせるような、チェックやストライプやラメラメキラキラヒラヒラが全部混じった、すごいスーツです。でもこの衣装に気付いたのはだいぶ経ってから。なぜなら、ルーファスの圧巻の歌声に我を忘れてしまっていたのです。「Release the Stars」で幕を開けたこの「ショウ」、いきなりミラーボールが回転です。早すぎます。もうこの時点でルーファス・ワールドに引き込まれてしまいました。こんなに豊かで魅力ある声を生で聞けるなんて、私は幸せです。いろいろ(というかすべて)思い出に残る曲は多かったですが、本編なら、「Do I Disappoint You?」や、Judy Garlandのカヴァーが良かったですね。ついでに:Judy Garlandのコンサートを完璧に再現した、彼のロンドンでのコンサートがDVD化されています。買っちゃいました。「今度はアカペラで…いや、アカペラ、じゃないかな」とちょっと訂正しながら、ルーファスはおもむろにマイクから離れました。斜め後方に、ホルン奏者がひとりだけ。マイクを外したルーファスが歌い出したのは、アイリッシュ民謡の「Macushlah」。しんとしずまりかえったホールに、彼の声は響きわたります。私の耳も目も、彼に釘付けでした。なぜか熱いものがこみ上げてきて、ちょっと涙ぐんでしまいました。きっとそれも彼の歌声の吸引力のなせる業。本編のラストの「14th Street」も印象的でした。この曲、大好きなので。ゴージャスで、艶やかなルーファスの声は絶好調でした。手が痛くなるほど拍手を送りました。お楽しみは、アンコール。なぜかルーファス、女優さんがメイク待ちしているような格好で(真っ白のバスローブ)出てきました。そこでPosesやっちゃうんだから、ニクイです。で、ステージ中央に置かれた椅子に座った彼、何をし始めるかと思ったら、キラキラ光るイヤリングを耳につけます。そして、今度は口紅!お客さん、喜んでいます(笑最後はハイヒールを履いて、準備完了。ステージが暗転し、黒スーツのダンサーたちがルーファスを囲みます。このためにダンサー雇ったのか~なんて思っていたら、なんと、この人たち、バックバンドの方々ですよ。けっこう良いお年のオジ様まで、ノリノリで踊ってます。ていうか、よくそんなに身体動きますねえ。ルーファスの前面に立ちはだかっていたダンサーが、最後にすっと身をよけると、現れたルーファスは、超マイクロミニスカートに黒ストッキング!脚、キレイです(笑ハイヒールも何のその、優雅にステージを歩き回りながら歌うその姿は、まるでレトロなショーを見ているようでした。ここはもう、エンターテイメントでしたね。お客さんはみんな嬉しそうに笑っていたり、手を叩いたりしていて、そんな姿を横目で見ているのも楽しかったです。「またすぐ来るよ、買い物したいから~」(笑)と言ってました。MCで言っていたんですが、この前日、1万ドルも使ったそうです。いったい何に?!歌舞伎も行ったみたいですが…それにしてもやることがすごい。ルーファスのMCは、とりあえず「長い」です(笑ベラベラベラ~と喋りまくるとこが、ちょっと女の子っぽいかな、なんて思いました。可愛い。でも英語自体はわかりやすく喋ってくれていたと思います。あ、そういえば、休憩後はサロペット着てきたっけ…妙に服だけ少年(笑今回の国際フォーラムホールC、音響が素晴らしかったと思います。あのやわらかな音は、木だからこそ出るのかなあと。それとルーファスが言ってたプチ情報、ホーンセクションの方々は、22日のスフィアン・スティーヴンスのライヴに出てたそうです。この人たち、とても器用でびっくり。3つ以上楽器こなすんですよね。サックス・オーボエ・フルート・ギター、みたいな感じで。文句の付けようがない、アンビリーバブルな2時間半でした。非常に感銘を受けました。私が観てきたライヴの中でもトップクラスです。みんなの興奮と感動の溜息に包まれていた終演後のホールの様子が、まだ忘れられません。エスカレーターを降りていく人たちの会話に耳をそばだててみると、みんなが口々に「すごかった、素晴らしかった」と言っていました。ルーファスをご存知ない方、ぜひ聴いてみてください。彼の歌声を知らないなんて、勿体無さ過ぎるのです。ぜひ、彼をまた日本に呼びましょう。セットリスト(某所より)1, Release the Stars 2, Going to a Town 3, Sanssouci 4, Rules and Regulation 5, Matinee Idol 6, Art Teacher 7, Tiergarten 8, Leaving for Paris No.2 9, Between my Legs (w/KEI+NANAMI ? ) 10min Break 10, The Consort 11, Do I Disappoint You? 12, A Foggy Day (Judy Garland) 13, If Love were All (Judy Garland) 14, Beautiful Child 15, Not Ready to Love 16, Slidshow 17, Macushlah (Irish trad.) 18, 14th Street encore 19, I don't Know What It Is 20, Poses 21, Get Happy 22, Gay messiah