カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
山本五十六(いそろく)‥‥
この名を聞いても、「誰それ?」と答える日本人が、今や大多数かもしれません。 しかし、この人こそ、今から約70年前、日本が世界大戦に巻き込まれようとするのを、 必死になって止めようとした人なのです。 連合艦隊司令長官[DVDソフト] 山本五十六 昭和14年、第二次世界大戦の火蓋がまさに切られようとしている時、 軍部はドイツ、イタリアとの軍事同盟を結ぶか否かで、対立していた。 三国同盟締結を望む陸軍幹部に猛然と異を唱えていたのが、 時の海軍次官・山本五十六(三船敏郎)であった。 日露戦争で実戦に加わり、左の2本の指を失い、 また米ハーバード大学留学の経験を持つ山本は、 戦争の凄惨さは無論のこと、米国と日本の国力の著しい格差もよく知っていて、 今、独伊と手を結んで米英を敵に回せば、日本が悲惨な運命を辿るであろうことを 予測していたのだ。 しかし翌年9月、緊迫した世界情勢は日独伊軍事同盟を締結させてしまった。 連合艦隊司令長官に任命された山本は、米英との早期講和を求めるべく、 真珠湾奇襲作戦を決行。 奇襲作戦は大成功、日本中が山本と連合艦隊を讃えるが、 これが、日本の破滅への第一歩となってしまうのだった‥‥ いわゆる東宝の8・15記念戦争大作の一つで、 三船敏郎を筆頭に、加山雄三、藤田進、黒沢年男、久保明、佐藤允、 土屋嘉男、平田昭彦、佐原健二、藤木悠、先代松本幸四郎、辰巳柳太郎、 森雅之、加東大介、宮口精二、司葉子、ナレーションは仲代達矢と、 超豪華オールスター・キャストです。 若い頃の田村亮、酒井和歌子も出演しておりました。 山本五十六は、これまでいろいろな役者が演じていますが(大河内伝次郎、藤田進、山村聡、古谷一行、小林桂樹、丹波哲郎、マコ岩松などなど)、 「日本海軍を代表する名将」としてのイメージを的確に表現しているのは、やっぱり三船氏でしょう。その後、彼はハリウッド大作「ミッドウエイ」でも、山本五十六を演じていました。 全体的に山本をやや美化しすぎているかなとの思いも否めませんでしたが、 連合艦隊司令長官という大役ゆえに、日本の行く末の全責任を負わされ 苦悩する一人の人間を、丁寧に描いていました。 ミッドウエイでの負け戦に疲弊し、一人長官室の椅子にぐったりと座り込み、 郷里・越後の民謡「佐渡おけさ」を口ずさむシーンは、忘れられません。 冷静な平田昭彦、やや猪突猛進型の土屋嘉男など、海軍参謀たちも、 それぞれ個性豊かに描けておりました。 反面、加山雄三、久保明、黒沢年男ら若い将校たちは、どれも血気にはやった若造で、似たりよったりでしたね。 ただ、真珠湾やミッドウエイの戦闘シーンの多くが、 「太平洋の嵐」からの借り物だったのには、不満です。 この映画が製作された'68年と言えば、日本映画の黄金期をとうに過ぎ、 観客動員数は減る一方、製作費は削られる一方だったのですから、 しょうがなかったのかもしれませんが‥‥ (しかし「太平洋の嵐」ってすごい映画ですよね。のちにハリウッドの「ミッドウエイ」でも戦闘シーンが拝借されてるんですから。) ところで、当時のイケメン・アイドル太田博之が パイロット役で出ていますが、彼の顔が妙に今風なのに驚きました。 ほんとに甘いマスクの美少年でしたね‥‥ 究極の戦艦大和 当時の勇姿を伝える戦艦大和のプラスチックモデル組立キット【ハセガワ 1/450スケール 空母赤城】 当時の勇姿を伝える戦艦大和のプラスチックモデル組立キット【ハセガワ 1/450スケール 戦艦大和】 ウォーターライン 日本戦艦大和(やまと) PCS24 日本海軍 戦艦大和カラーセット お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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