カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
戯曲、小説、短歌、エッセイ、演出など、
さまざまな分野で、斬新な仕事をし、あふれるほどの才能を発揮した鬼才・寺山修司。 きょうは彼の長編映画第一作をとりあげます。 その名も‥‥「書を捨てよ町へ出よう」('71年)。 [DVDソフト] 書を捨てよ町へ出よう 「私」(佐々木英明)は、裏長屋に万引き癖のある祖母、覗き癖のある父、 ウサギ狂いでひきこもりの妹と住む予備校生。 希望の光の見えない鬱屈した毎日を送る「私」は、ある日「彼」の案内で 娼婦のみどり(新高恵子)と出会い‥‥ ストーリーらしいストーリーはなく、過去と現在、イリュージョンが交錯し、 モザイクのような仕上がりの実験的な映画です。 娼婦の部屋の襖をがらりと開けたら、そこは広がる緑の田園風景、 佐藤栄作のお面をつけた人たちがマリファナを吸う光景、 なぜかビルの屋上で暮らす裸の若い男女など、 全編これ「寺山ワールド」‥‥ 聴いててテンション下がりまくりの歌手・浅川マキ、 若くて美しい美輪(当時は丸山)明宏も共演。 観ていて「わけわからん」と思う人も多いでしょうが、 多感な10代の終わりに、今はケンタ(?)にとってかわってしまった上板東映で、この映画を観たモイラは、 「魂の叫び」みたいなものを、ひしひしと感じ取りました。 同時に、寺山修司という人の才気というか、映像感覚のすごさに、恐れおののきました。 それからです。寺山氏の本を読み漁るようになったのは‥‥ 寺山修司ラジオ・ドラマCD::鳥籠になった男 大礼服 寺山修司幻想劇集 寺山修司名言集 寺山修司の情熱の燃やし方 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 6, 2008 09:10:03 PM
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