カテゴリ:永遠に輝け!モイラ的銀幕のスターたち
熱烈なファンの方々から石を投げられる覚悟で書きますけど、
池部良さんは、はっきり言って大根役者です。 モイラはこれまで、池部さんの出演映画やテレビドラマを何本も観ていますが、 どの役を見ても、「うまいなあ‥‥」と思ったことがありません。 台詞は一本調子だし、動きはどこか固いし‥‥ でも、なぜか忘れられない役者さんなんですよね。独特のオーラがあるのかな‥‥? モイラが最初に観た池部良さんの主演映画は、大ヒット作の「青い山脈」でも かつて李香蘭と呼ばれていた山口淑子サンと共演の「暁の脱走」でも ヤクザ役が話題になった「乾いた花」でも 高倉健さんと名コンビを組んだ「昭和残侠伝」シリーズでもなく、 中学に入ったばかりの時に名画座で観た東宝特撮の名作「妖星ゴラス」('62年)です。 「へえー、ちょっとオッサンだけど、えらいハンサムな宇宙物理学者じゃん‥‥」と、 ほんの子どもだったモイラですが、スクリーンを観ながら頬をゆるませていました。 のちに「君の憤怒の河を渉れ」、「惑星大戦争」などで 名画座ではなく、今度はロードショーで池部氏にお目にかかりましたが、 子ども心に、あまり演技のうまい役者じゃないなあと感じました。 しかし、知性を感じさせる整った容貌と長身が幸いしてか、 インテリ役は勿論のこと、筋目の通ったヤクザ役も、サマになってるんですよね。 池部氏は大正時代の風刺漫画家のご子息で、立教大学英文科卒。 映画監督志望で、大学在学中に東宝撮影所のシナリオ研究所に入所。 当初は俳優になる気はまるでなかったそうですが、 あの長身と整った容貌は、かなり裏方さんの目をひいたらしく、 その上、大学卒業後に入社した東宝に、演出部の空きがなかったことも幸い(?)し、 監督ではなく、俳優として映画デビューしたそうです。 でもほどなく兵隊にとられ、南方で九死に一生を得て、敗戦の翌年に帰国。 以後、東宝に復帰するや、スター俳優として、また映画俳優協会の理事として活躍。 そして'91年、父君との生活を書いたエッセイ「そよ風ときにはつむじ風」が日本文芸大賞と輝き、 以後は執筆活動に重きを置くのです。 太平洋戦争中にスクリーンデビューし、以来、何十年も役者を続けてきた池部さんですが、 俳優としての賞を戴いたことはただの一度もなく、 エッセイストとしての日本文芸大賞が初めての受賞だったそうです。 若い頃、東宝のシナリオ研究所で勉強したことが、お年を召してから花開いたのでしょうか。 人生、本当に何が起こるかわからないものです‥‥ 今年で91歳(!)になられるそうですが、またスクリーンであの大根役者ぶりを発揮していただきたいものです。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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