カテゴリ:永遠に輝け!モイラ的銀幕のスターたち
羅生門綱五郎‥‥と書いても、おわかりにならない方が多いと思いますが、
黒澤明監督作品「用心棒」に登場する でかい金槌(木槌?)を持った、ジャイアント馬場みたいな大男‥‥と書けば、 「ああ、あれか!」と頷く方も多いのでは? 彼こそが、知る人ぞ知るバイプレイヤー・羅生門綱五郎です。 羅生門綱五郎は、台湾生まれの台湾人で、本名・卓 詒約。 昭和15年に花籠部屋に入門し、力士となるのですが、 戦後は2メートル3センチ(!)の巨体を生かして、プロレスに転向。 巨体レスラーとして注目されるのですが、 その巨体が今度は映画人たちの目にとまり、 また、日本語もほぼパーフェクトであることから、 悪役、モンスター役として、スクリーンデビューするわけです。 何しろあの巨体ですからね。圧倒的な存在感があります。 羅生門氏には失礼ですが、彼が最初に撮影所に入ってきた時は、 スタッフはもちろん、役者たちも仰天したでしょうね。 個性のかたまりみたいな役者たちが、撮影所の隅で喧嘩してても、 あの巨体がものも言わないで、ヌッと割り込んできただけで、 ビビって喧嘩なんかやめちゃったかと思います。 「用心棒」では、「かんぬき」という渾名のヤクザの手下を演じていますが、 刀を奪われた三船三十郎を、巨体にもの言わせて、 「ここは地獄の一丁目だ。おいおい待てよ、そっちは地獄の二丁目だぜ」と、 ゴム毬のように何度も投げ飛ばすシーンが、強烈に印象に残っています。 さすがの三十郎も、素手ではこの巨漢に勝てない‥‥ 大島渚監督の「太陽の墓場」では、うすのろっぽいけど、涙もろい日雇い労働者を熱演していました。 ほかにも、高田浩吉主演の「伝七捕物帖 美女蝙蝠」('57年 松竹) 「無法街の野郎ども」('59年 東映) 片岡千恵蔵主演「ヒマラヤ無宿 心臓破りの野郎ども」('61年 東映 なんと雪男役!)などに出演しています。 しかし、'60年代半ばから、彼の姿はスクリーンから消えました。 現在生死不明。ご存命なら、今年で89歳です。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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