カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
きょう、日本映画界の巨星がまたひとつ消えました。
森繁久彌氏です‥‥ 太平洋戦争前、早大在学中に築地小劇場などで活躍。 大学中退後は、日劇など色々な劇団を渡ったものの、与えられたのは端役のみ。 日中戦争のさなか、満州に渡り、満州電電に勤務。 満州映画協会理事長・甘粕正彦とも交流があったとか。 戦後はムーラン・ルージュのコメディアンとして花開き、 映画出演依頼も増え、 そして‥‥役者・森繁の本領を発揮したのが、この作品。 1955年、豊田四郎監督の「夫婦善哉」(東宝)です。 税込\2000以上のご購入で全国送料無料!!※代引き手数料を除く夫婦善哉■森繁久彌 大阪の大きな化粧品問屋の息子・柳吉(森繁久彌)は、絵に描いたような遊び好きのぼんぼん。 妻子がありながら芸者・蝶子(淡島千景)と良い仲になり、 父親から勘当され、たちまち生活に困るはめに‥‥ しっかり者の蝶子がヤトナとして生活費を稼ぎ、節約に励むも、 ぼんぼん気質がまるで抜けない柳吉は、彼女が稼いだ金をカフェなどであっという間に使い果たす有様。 そのたびに蝶子は絶望し、身投げまでしかけるのだったが‥‥ 自分で働く気がまるでなく、人に寄生することだけが人生のようなだめんずなんだけど、 そのダメさがあまりにハンパじゃないので、かえって憎めない男を 森繁氏がそれはそれは上手に演じていましたね。 ずるいけど飄々としていて、怠け者なのにどこか抜け目のない、そして何より女心を捉えて離さない男。 そんな柳吉役を演じられる役者は、そうはいません。 この映画が公開された時、モイラはまだ影も形もありませんでしたが、 柳吉が蝶子につぶやく台詞、「頼りにしてまっせ、おばはん」は、 流行語にもなったそうです。 しかし、永遠のテーマなんですね。ダメ男と、それを支えるしっかり者の女のラブストーリーって。 似たようなカップルが登場する映画に、「浮雲」(高峰秀子・森雅之出演)がありますが、 「夫婦善哉」のほうは、大阪独特のなんともとぼけた、ほんわかした味わいがありました。 戦前から戦後、平成にかけて活躍された森繁さん、ほんとにお疲れ様でした! ご冥福をお祈り申し上げます。 喜劇 駅前旅館(DVD) ◆20%OFF! 喜劇 駅前旅館(DVD) ◆20%OFF! 社長太平記(DVD) ◆20%OFF! 東宝 社長道中記 [1961年東宝:DVD未発売] 喜劇 駅前団地●森繁久彌/フランキー堺 (中古ビデオ/VHS) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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