カテゴリ:嗚呼なつかしのテレビドラマ♪
「てなもんや三度笠」で一躍お茶の間の人気者になり、
喜劇ばかりでなく、シリアスな演技でも定評のあった藤田まこと氏が 先日、76歳の生涯を閉じました。 モイラが藤田氏演じた役で最も忘れがたいのは、やはり「必殺シリーズ」の中村主水役ですが、 中でも初期の「必殺仕置人」(必殺シリーズの第2弾)です。 新必殺仕置人 Vol.2 / 藤田まこと 婿養子で、家では姑(菅井きん)や妻(白木万里)にまるで頭があがらず、 職場でもてんで冴えない同心。 しかし、ひとたび闇に回れば、悪者どもを剣の一振りで地獄に落とす剣の達人。 昼と夜でまるで違う顔の男を、実に上手に演じていました。 どの回だったか忘れましたが、主水が八王子村に左遷されて、 右も左もわからない田畑ばかりの村で、百姓たちに道を聞いたまではいいけど、 うっかり肥溜めのほうに向かって歩いてしまい、 「ああ、そっち行っちゃダメずら!」と百姓たちが声をかける間もなく、 肥溜めにドボーンと落ちてしまうシーンには、お腹を抱えて笑ったものです。 実は藤田氏は、今はなきモイラの父と、かつて多少の親交があって、 父の仕事仲間が大阪十三の露店で靴を買った時、高額な代金を請求された話をすると、 藤田氏は苦笑しつつ答えたそうです。 「ああ、十三で靴買うたらあきまへんでえ」 必殺の撮影時には、他の役者さんやスタッフたちにとても気を遣い、 撮影所見学に来た少年少女にも、実に気さくに声をかける人だったそうです。 もうひとつの代表作「はぐれ刑事純情派」も、なかなか見応えがありました。 梅宮辰夫氏演じる署長が、いつも安浦寄りなのがちょっと気になりましたが、 あの人情の機微を熟知した中年刑事が、浪花節好きの多くの日本人の心をとらえたのも、道理です。 ほんとに惜しい役者さんでしたね‥‥残念です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[嗚呼なつかしのテレビドラマ♪] カテゴリの最新記事
|
|