カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
きょうはちょっと昔の韓国の名作映画を紹介いたします。
名匠ベ・チャンホ監督の「鯨とり コレサニャン」です。 題名こそ「鯨とり」ですが、いわゆる捕鯨の映画ではありません。 韓国では、男が(女もかな?)何かデカいことをやることを、「鯨をとる(コレルル サニャンハダ←楽天ブログではハングルの表記ができない!)」と言うのです。 この映画は、そんなデカいことをやろうとする若者の心の成長の物語です。 純情だけど内気でモテない冴えないソウル在住の大学生ビョンテ(キム・スチョル)は、 ひょんなことから乞食の親分と称する奇妙な男(アン・ソンギ)と出会い、 彼に誘われるまま市内(ヨンサンあたり?)の売春宿に泊まるはめになった。 そこで出会ったのが、失語症のチュンジャ(イ・ミスク)という可愛い娘。 売春宿で元締めのカンペ(ヤクザ)どもにいたぶられ、さんざん辛酸を舐めさせられた挙句に、 失語症になってしまったチュンジャに深く同情したビョンテは、 彼女を老母が待つ郷里・東海(トンヘ・日本海のこと)の離島に連れ帰ってやろうと決心。 かくして、冴えない青年と乞食の親分、失語症の少女と三人の奇妙な旅が始まるのだが‥‥ 小柄でやせっぽちに眼鏡の冴えない若者を演じたキム・スチョルも名演でしたが、 それを凌駕しているのが、乞食の親分役に扮する名優アン・ソンギ! 「ひとつ、乞食は泥棒をしないこと」「ひとつ、乞食といえど、常に身ぎれいにしておくこと」「ひとつ、乞食といえど、三度の飯は絶対欠かさないこと」など、 旅のつれづれに、彼一流の「乞食学」というか、人生における知恵を、ひ弱な若者に実践で教える姿が、 大変印象的でした。 ジャンパーの裏にポケットをいくつも作り、そこにスプーンやカップなどを常に入れて持ち歩いている姿には、笑えました。 チュンジャ役のイ・ミスクも、いかにも純情可憐といったイメージで、良かったです。 売春宿から逃げ出したチュンジャを追いかけるカンペどもの手を逃れるため、 乞食の親分が、道端に停まっていた救急車をかっぱらって逃走するシーンも見ものでした。 三人でトンヘに向かうコソクボス(高速バス)に乗るお金がなくて、 親分が靴下に隠しておいたなけなしのお札を、当時韓国にはまだいた女車掌に出し、 その女車掌に「ウエッ」というしかめっ面をされるシーンも、笑えました。 トンヘの離島までの旅の過程で、ひ弱な若者から一人前の男に成長するビョンテ‥‥ 人生は、学歴や社会的な肩書きなんかで左右されるものじゃない。 一番大切なのは、生きるための知恵とあたたかい心だということを、 つくづく知らされる一作でしたね。 モイラは東京在住時に、三百人劇場でこの映画を観たのですが、 実はこの映画、昨18日から「鯨とり ナドヤカンダ(俺も行く、の意)」と題名を変えて、 新宿、横浜、大阪などでリバイバル上映されております!! しかも同じアン・ソンギ主演の「風吹く良き日」と同時上映で!! こういう時、都市部から遠く離れた離島暮らしを、心の底から恨むモイラでございます‥‥(T_T) [1985年劇場未公開:DVD未発売]冬の旅人【字幕】●監督:クァク・チギュン//イ・ミスク/アン・ソンギ 【中古】(ビデオ/VHS)[AD2-11[34-184]【smtb-td】[送料無料] 発売日2007年5月25日【ポイント8倍】送料無料!!【DVD】キリマンジャロパク・シニャン/アン・ソンギ [OPSDS-755]【ポイント倍付0616-19】 パク・シニャン&アン・ソンギ主演で贈る衝撃の韓国ノワール・アクション!公開時には北野武監督の「ソナチネ」を彷彿させると高い評価を得る!【中古】◆DVD◆キリマンジャロ◆ 【送料無料】ピアノを弾く大統領/アン・ソンギ[DVD]【返品種別A】【smtb-k】【w2】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[独断と偏見に満ちた映画評] カテゴリの最新記事
|
|