カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは、映画狂のモイラでございます。
今宵は、1996年カンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリに輝いた名作 「奇跡の海」をお届けいたします。 ’70年代、プロテスタント教会の力が強いスコットランドの海沿いの閉鎖的な村に住むベス(エミリー・ワトソン)は、 教会通いを欠かさない、信仰篤い純粋無垢な娘。 そんな彼女は、油田の掘削基地で働くよそ者の青年ヤン(ステラン・スカルスガルド)と結婚し、 二人は心身ともに深く愛し合った。 ところがある日、油田の事故で、ヤンは下半身不随の身となってしまった。 もはやベスとセクシャルな関係を持てなくなったヤンは、ベスにこう懇願した。 「俺の他に男を作って、その男とのセックスの様子を、逐一俺に報告してくれ。 そうすれば、俺はお前とセックスしているような感覚を得られるから」 敬虔なクリスチャンのベスは、そんなヤンの頼みを最初は頑なに拒むが、 教会の礼拝堂で祈っているうちに、ヤンの言う通りにすることが 彼の体と魂の救済になるかもしれないと思い始め、 自らの肉体を他の男に投げ出すのだった…… 夫の救済のために娼婦に身を落とし、クリスチャンの村人からは忌み嫌われ、 教会からは罪人扱いされて追放され、 子どもたちにまで、「売春婦だ!」と石を投げられるベスを 映画初出演の新人・エミリー・ワトソンが、まさに体当たりの演技で演じています。 夫の主治医で友人でもあるリチャードソンに、全裸をさらし、 「お願いだから私を抱いて…」と、すすり泣く芝居は、 とても新人とは思えないほど熟達していました。 モイラ、客席で観ていて思わず舌を巻いちゃったもの…… 監督・脚本はラース・フォン・トリアー。 この作品で彼は、現代のキリスト教会を批判しています。 聖書には、イエス・キリストが娼婦や税金取りをも愛し、信仰の友として受け入れ、 「我は正しき者を招かんとにあらで、罪人を招かんとて来たれり」と言ったことが、 はっきりと記載されているのに、 現代の教会は娼婦をしめ出すのかと…… モイラも全く同感です。 悲しいかな、日本の今の教会も、そういった側面がないわけではありません。 真の神の愛は、いったい何処にあるのか……? 真の魂の救済は、今の教会にあるのか……? モイラは一クリスチャンとして、そして一人の人間として、深く考えさせられました。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 18, 2020 10:21:45 PM
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