カテゴリ:愛すべき(?)トンデモ映画
こんばんは、映画狂のモイラでございます♪
今夜はキワモノ映画を撮らせたらナンバーワン(と、モイラが勝手に思ってる)の 石井輝男監督の傑作中の傑作 「明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史」を、ご紹介します! 法医学教室(?)の解剖医・村瀬(吉田輝雄)が、 過去に起こった猟奇事件の資料を紐解く形式で繰り広げられる、オムニバス形式の実録事件モノです。 第1話は、昭和36年に起こった「東洋閣事件」(現実には、ホテル日本閣殺人事件)。 第2話は、昭和11年に起こった「阿部定事件」。 第3話は、昭和何年かわからないけど、阿部定事件によく似た「象徴切り事件」。 第4話は、昭和20年から21年にかけて起こった「小平事件」。 そして第5話は、明治9年に起こった高橋お伝の強盗殺人事件です。 この中で、小平事件だけが犯人が男で、戦後直後の実録モノの色を濃く出すためか、モノクロで撮影されています。 「東洋閣事件」は、温泉旅館乗っ取りの事件で、 旅館の女将、主人、遂には共犯の男までも次々と殺しては埋める妖婦役に、 藤江リカが体当たりで挑んでいます。 戦後、女では初めて死刑が執行された事件でもあります。 「阿部定事件」では、賀川雪絵が流転の女・阿部定を それは艶っぽく演じております。 なんと、この映画の撮影当時、60代前半だった阿部定本人も、 解剖医・村瀬のインタビューに答える形で、出演しているのです! 「象徴切り事件」では、主犯の初老の女とらを、金森あさのが不気味に演じていましたね。 「小平事件」は戦後直後の食糧難の時代に、小平義雄という男が、 「知り合いの農家から米を分けてやる」という誘い文句で、女性7人を辱め、殺害した事件で、 名優・小池朝雄が、稀代の殺人鬼・小平義雄を リアリティたっぷりに演じておりました。 「高橋お伝」は、当時のマスコミでは「稀代の毒婦」と騒がれた強盗殺人犯の女ですが、 実際は、不治の病に冒された夫を手厚く看病し、 夫の死後は、ヤクザ者の市太郎という男に良いように扱われ、 市太郎との生活費が欲しい余り、彼の言いなりに娼妓になって、 客の男から金を引き出そうとして、強盗殺人の罪を犯してしまった哀れな女です。 そんなお伝を、由美てる子が上手に演じていました。 雪の中、お伝が斬首刑に処される時、「市さん!市さあん!一目逢いたいよお!」と、身悶えして泣き叫ぶ姿がたまりませんでした。 (今なら、お伝の罪は重くても無期懲役ぐらいですよね。たぶん……) 全篇に女性のヌードが出てくるので、成人映画の指定を受けているし、 キワモノの匂いもプンプンしますが、それがまた、面白いんですよね。 全体的に上質なエンターテインメント作品に仕上がっています。 そこは、監督の石井輝男マジックですね。 脚本は石井輝男、掛札昌裕、野波静雄。 見て絶対損のない一作ですよ! にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 8, 2023 05:34:12 PM
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