【粗筋】
屋敷のお嬢様の13歳の誕生日にダンスパーティをやるというので、敷地にあるアパートの住人招待されたが、誰もダンスを知らない。
「お前さんはどうだい」
「ダンスどころか、部屋には箪笥もないくらいで」
「大学生だからダンスを習っていないのかい」
「大学にはダンス学部はないんで……2,3度タンゴを教わりに行きましたが」「じゃあ出来るだろう」
「2,3度では覚えきれません。15回は行かないと」
「どうして」
「タンゴ15といいますから」
結局誰も出来ないが欠席するのは失礼というので出掛ける。挨拶をしろと言われた大家
「今日は結構なお天気で……お嬢様の13回忌」
「殺しちゃ困るよ」」
「13歳のお誕生日を機に、本日は家賃の値上げにつきまして……」
「何言ってるんだい」
ダンスが始まるが誰も踊れない。お調子者の熊さんに踊ってくれと言うと、
「素面じゃあ踊れませんや」
「でも随分飲んでるよ」
「ビールとワインとウイスキーを頂いて……」
「そんなに飲んだら足腰が立たないぜ」「それで踊らずにすむでしょう」
【成立】
昔々亭桃太郎(1)の創作落語。昭和25年、ダンスホールが盛んな頃の作品。ダンスシーンはほとんどないが、アコーディオンの伴奏を頼んで演じた。