46:お国訛り(おくになまり)
【粗筋】 その土地土地の言葉、お国訛りがある。長崎ばってん京どすえ、などという。 寒い所ではあまり口を開かないように言葉が少ない。外で会っても「どさ」「ゆさ」でいい。「どこへ」「湯へ」と通じるのだ。もっと短いのが「け」「く」、これが「食え」「食う」という意味。 「おりる」を「おちる」といい、「すんだ」を「しんだ」と発音する地域では、電車が駅に着くと「おちる人がしんでから御乗り下さい」 名古屋は「ずら」をつけるが、行くことを「行かず」、来ることを「来ず」、帰ることを「帰らず」という。道を聞くと、「ここをまっすぐ行かず、右へ曲がらず、左へ曲がらず、駅へ行かず」となる。 東海道の豊橋、中央線の辰野の間を走る飯田線の中間にある飯田、伊那町、天竜峡の辺りでは、牡丹餅を半殺し、蕎麦を手打ちという。客があって、「今日の客、どうすべえ。半殺しにすべえか、手打ちにべえか」【成立】 お国訛りを並べるもので、枕になったり、これで一席にしたりする。漫才で同じようなネタを聞くこともある。 柳亭小痴楽は、鉄道の話で方言を交え、「寝台車」のネタなども織り込んで、小児科の先生の口調で産婦人科が診察してはまずいというネタで落ちにしていた。「言葉は笑う」という題だから、何でもありなんだろうな。 快楽亭ブラックは方言紹介から下ネタになった。 「け」「く」が一番短い会話だが、声にはならず「あっ、はあはあはあ」なんてネタも聞いたことがある。何のことか、うぶな私には意味が分からない。