ぢい散歩19「滋賀・京都スペシャル」:21「最終日スタート」
「おはようございます。ぢい散歩スペシャル、滋賀・京都のお散歩もいよいよ最終日となりました」「はい、今日は自由行動ですね」「はい、それで参加費2300円のオプショナルツアーを用意致しました」「どちらへ」「まずは朝食からじゃ」「あらら」「和食もあるが、この日は開店が遅い。仕方なく洋食バイキング。最初の一皿」「はい……最初って……」「四回目にもらってきた、最後のデザートとコーヒー」「ううん……いつもながら、本当にどうでもいい写真だね」「図は京都観光一日乗車券。定価1260円」「はい」「周遊券を使って、二条城前駅から乗ってもいいのじゃが、乗り換えの烏丸御池駅まで歩いてしまおう」「ここ、歩かなくてもいいのにね」「途中に色々あるのじゃ。西福寺。これはわしの家の宗旨、真宗じゃ。秀吉がここにあった小川寺を移転させて京都の政庁を建てた。これが妙顕寺城という。石の碑が立っている。家康が江戸に移った頃、ここに新たにこの寺が開かれた」「写真は省略です」「閑院跡。藤原冬嗣の屋敷だったかな……公季(きんすえ)が名前を付け、後鳥羽天皇が即位した場所。鎌倉時代に焼失」「写真は省略です」「福井藩邸跡……説明していると長くなるので省略」「ううん、これだけで一回終わるね」「それで写真は薬祖神祠。建物にくっついてちゃんと鳥居があるのも楽しい」「はい……それだけですか」「祀られている神様が面白い。大巳貴命(おおなむちのみこと)、大国主命と小彦名命(すくなひこのみこと)。大国主は兄達に襲われて様々な薬で命を救われるから、薬と縁があるな」「他には」「中国の医療神、神農。それからビックリ、ギリシャのヒポクラテス」「え……」「江戸初期に薬問屋が集まって神農祭というお祭りをやったという。江戸末期の蛤御門の変……わしの先祖も関わったが……この辺りも焼失したが、祭りは休まず行われたという。明治維新後途絶えたのを1880年に復活。欧州から来た人もいて、ヒポクラテスも加わったというのじゃ」「へえ」「昭和の末には50軒の薬問屋があったというが、平成に入って激減、10軒ほどになり、2006年のお祭りではとうとう夜店が消えたという」「歴史がすごいね」「さて、もう一つ気になったのはお店で、京名菓はいいが、家喜芋と書かれていた」「え……やきいもって読むんですか」「そうじゃ。気になるじゃろう」「どんな菓子でしょうね」「え……わしゃ菓子には興味がない」「え、何が気になるんです」「名前だけじゃ」「ひどいね」「で、写真は京都国際マンガミュージアム」「漫画ですか」「京都市と京都精華大学が資料を集めた。木戸銭は800円じゃが、団体割引で640円で入れるよう交渉した」「では中へ行きましょう」「わしは入らない」「あれ……」「周遊券を入手しているのじゃ。マンガ関係を回るなら、安いバスの周遊券でいいじゃないか。そのくらいなら全部歩いて行くぞ」「ケチだからね」「そういう訳で、烏丸線を利用、北の終点、国際会館まで参りました」「写真は、駅に近い川の桜」「へえ……何という川です」「え……高野川の支流」「いい加減だね」「さあ、こうして今度はバスを利用。大原まで行くのですが……ここで大きなアクシデント」「何がありました」「前の日からバスの時刻が改訂され、ぴったりで来たつもりが30分も待たされた」「あらら」「そんな訳で、予定がちょっと遅れることとなるが……」「とりあえず大原まで参りました」「ここはしっとりとした感じがよく似合う」「それで雨を降らせているんですか」「わしゃ晴れ男じゃから、傘はいらないじゃろう」「大丈夫かな」「山の靄が雰囲気はいいじゃろう」「はい……どこへ行くんですか」「さあ、どこから見るか、次回のお楽しみ」「あれ……着かないで終わっちゃうの……ひどいね」