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2004.12.22
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知識集約型企業の組織構造は小人数の自立したチームが集まった連邦型組織。

トム・ピーターズによると、こういう組織がうまく機能する理由のひとつは、組織が「ゴッタ(やるしかない!)・ユニット」(gotta units)で構成されていることである。

ゴッタ・ユニットとは、程よい少数からなるグループで、大組織の場合、内部に構成される組織の最小単位である。
ゴッタ・ユニットには、ミッション・目標・役割・責任が与えられ、また、同時に、それを果たすため、かなりの自由裁量が約束される。

ゴッタ・ユニットは、家族経営と同様に、やるしかない。やらなければ一巻の終わり。
だから、おのずと活力がみなぎり、一生懸命頑張る。そして不可能と思える事をしょっちゅうやり遂げてしまう。

例えば、楽天の優良なネットショップは家族経営が多い。
長引く不況の中、店舗販売が不振で苦しんでいて、ネットショップを始める場合も多いのではないか。
親子や兄弟が役割分担し、家族の生計や繁栄のために、皆が協力し、一生懸命頑張る。
感じの良いHPデザイン、魅力的な商品、良心的な価格、正確・迅速な事務手続、親切・丁寧なアフターサービス。
いつのまにか、月商1000万を超る優良ネットショップになっていた。

こういうユニットを企業の中で作ることができたら、企業は必ず強くなるだろう。


しかし、ゴッタ・ユニットがちゃんと機能するには前提条件があると思う。
僕は、数年間、ゴッタ・ユニットを意識してプロジェクト管理を行ってきた。
そして得た結論が以下の通りである。

まず、チームメンバー全員が自立した大人でなければならない。
自立した大人は、人間関係におけるGIVE&TAKEの原理をちゃんと理解している。
押し付けや甘えはGIVE&GIVE。それではうまくいかない。
(家族経営でも、親の押し付け、子供の甘えがある場合は、どうしようもない駄目集団になってしまう。)


しかし、GIVE&TAKEだけでは組織としての付加価値がない。
GIVE&TAKEによりシナジーを生み出すことがチームを構成する意義である。
最大限のシナジーを生み出すことをチーム全員が心掛ける必要がある。


逆に、チームに何か問題が起こった時、助け合う精神が必要。
ゴッタ・ユニットは運命協同体であるから、他のチームメンバーの失敗は自分にはねかえって来る。
自分の責任範囲を主張して逃げても無駄である。もし、そのような行為があったならリーダーはしかるべき評価をして、その行為が損であることをはっきり示す必要がある。


ゴッタ・ユニットのリーダーは、コミュニケーション能力、対人調整力が求められる。

会社のビジョンや課題、チームのミッション、目標をチームメンバーへ正確に伝えなければならない。
また、チームだけで解決できない課題を素早く上層部に伝えなければならない。

チームメンバーに役割を割り与え、業務上の課題を収集・管理し、課題解決に向け議論を促進し、チームメンバーから意見を引き出し、ロジカルに結論を導き出すスキルが必要だ。
そのやり方が公平で理にかなっていればチームメンバーは気持ち良く仕事ができる。


このように互いに協力し合う関係を築くには、各自が担当する業務に関わる情報だけでなく、できる限り広く会社やチーム全体の情報をシェアしなければならない。
チームメンバーが個人の任務、目標、達成度合しか知らされていなければチームのため、他メンバーのために協力しようという気にはならないだろう。

また、人と人が対立したり、非協力的な関係におちいる原因の多くは、情報不足や事実認識の不一致から生ずるものである。
共有する情報が多ければ、互いにわかり合えるのである。

ゴッタ・ユニットの場合、チームメンバーはユニットの共同経営者に近い立場であるから、自分が担当する仕事の成果だけでなく、チームの予算・実績情報は、できる限りリアルタイムに共有すべきである。やる気と同時に危機感も必要なのだ。


最後にチームメンバーの評価だが、知識集約型企業においてチームは異なる専門分野を持った知識労働者の集まりであるから、特定の専門分野の知識レベルをチームリーダーが正確に評価することは難しいだろう。

従って、評価においてもリーダーは、独断で決めるのではなく、クライアントやチームメンバーからの意見を集めた上で総合判断する必要があるだろう。

知識集団におけるリーダーは、専門分野は何であれ、問題解決のプロフェッショナルでなければならない。従って、被評価者の問題解決のプロセスが優れているかどうかは、リーダーが主体的に評価すべきだろう。

結局、知識労働者の専門知識が如何に豊富であっても、有効な方法でクライアントやチームに提供し、価値として認められなければ評価に値しないのである。





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最終更新日  2004.12.22 23:01:17
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