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2005.10.09
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コンサルタントというと、一体どんな人のイメージが浮かぶのだろうか?

 論理的で頭が良く、隙が無い。
 知識・ノウハウ、方法論を豊富に持っている。
 プレゼンが上手。
 手際よく行動する。
 クライアントを常にリードする。
 正しい結論を迅速に導き出す。

確かに、そうであれば、それに越したことは無い。

しかし、経験が浅いコンサルタントが、このイメージを意識し過ぎて、うまくいかないケースが多いように思う。

実際、大手コンサルティング会社には、MBAやCPAを持ち、上記の条件を満たすのに、売れないコンサルタントが、ときどきいる。

では、何が足りないのだろか?

僕の経験では、経験の浅いコンサルタントは、下記のふたつのタイプに分かれる。
 積極タイプ → 自分をアピールしようと果敢に発言し、クライアントをリードしようとするタイプ、上司に頼ろうとしない。
 消極タイプ → 自分に自信がなく、会議でも殆ど発言せず、どうしたらいいのか直ぐ上司に聞いてくるタイプ

一見、積極タイプが望ましく見えるが、それはそれで問題があるのだ。

大人しいクライアントの場合、コンサルタントが出した結論に概ね賛成であっても、心の底から納得感を得ていない場合がある。

提案内容が的を得ていない場合は、「コンサルタントごときに我々のビジネスがわかるか!」のようなことを言われて出入り禁止になる場合もある。

何故、こういうことが起こるかというと、結局「傾聴」「質問」ができていないことが原因。

「傾聴」は、クライアント企業が持つ課題だけでなく、その人、それぞれの思い、気持ちまで聴くこと。
これができないと、コンサルタントが出した課題や結論が正しくとも、クライアントは、本当に自分達の問題意識をコンサルタントが共感してくれているのか疑い、その問題解決をコンサルタントに任せようというところまで信頼関係は築けない。

「質問」は顕在化されている問題だけでなく潜在的な問題まで掘り下げて確認することを指す。
プロジェクト関係者、それぞれの思惑を見通すためにも質問は重要。
顕在化されている問題の背景まで見えなければ、コンサルタントの出す答えは、クライアントが出す答えと、さほど変わりなく、コンサルタントの価値を認めてもらえない。

また、「あるべき姿」に向かうため、この組織をどのように動かすのが効率的か?関係者それぞれ思惑と人間関係を知る必要がある。
そのためにも質問は重要。

これは、コンサルタントにとって大変重要なスキルなのだが、若いコンサルタントに説教しても、簡単に気づくものではない。

上司が注意しても、強情な人は、
 ・クライアントは文句は言っていない。
 ・自分の考えは絶対正しい。
 ・クライアントが理解できないのは、クライアントのレベルが低いから。
と返す。

コンサルタントを志す若い人は、プライドが高く、理屈っぽく、強情な人が多い。

しかし本当にクライアントはレベルが低いのか?
付き合いの浅いクライアントは真意をなかなか見せないものである。
また、組織を相手にしていると、コンサルタントの評価も合意形成の結果になるので単純ではなくなる。

通常、ある程度のレベルのコンサルティング会社であれば、大きな失敗をしない限り、クライアントは、ある程度の評価をしてくれるものである。

だから、経験が浅いコンサルタントは、それで満足してしまう。

しかし、クライアントが、次の仕事を、そのコンサルティング会社にさせようと思うかどうかは別である。
実は、ここで大きな差が開くのだ。

無理やり自分の考えを押し付け、クライアントの納得感のないまま結論に導いてしまったら、いくら、それがトップマネージメントに承認されても、クライアント企業のプロジェクト関係者と信頼関係は得られず、次フェーズのお呼びがかからなかったり、お呼びがかかっても協力してくれないのである。

結局、改革はクライアントが行なうもの。
いくら提案が正しくとも、クライアント企業の関係者が真意に気づき、合意形成がなされなければ改革は成功しない。

また、コンサルタントが、自分は正しいと主張したところで、ビジネスは成長しないのである。

まぁ、これはコンサルタントの世界だけの話ではないだろう。
形にとらわれて肝心なものを見失わないように。





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最終更新日  2005.10.09 14:06:59
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