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テーマ:海外生活(7772)
カテゴリ:ドイツ vs イタリア
私は9年ほど前、ドイツで車の免許を取った。
当時とんでもない田舎で暮らしていたのだが、免許を持っていなかった私は休みの日や仕事の後に外出することも出来ず、買い物に行くにも車を持つ友人に頼らねばならない生活を送っていた。 そんな私の「軟禁生活」に呆れ果てたあるドイツ人友人が、ある日「今日はレストランで食事をしよう」と私を家から連れ出し、そのまま空腹の私を教習所に一人残して去っていってしまうという事件(笑)が起きた。今考えると拉致以外の何ものでもないが、後から聞くと、普通に話しても私は絶対拒み続けて家を出ようとしないだろう、と読んだ友人の罠だったようだ。(そしてその通り、普通に話されていたら断固拒否してたぶんいまだに免許のない生活をしていたと思う…、感謝。) 一人残されたドイツ語なんてほとんどわからない私に教官は辛抱強く説明し続け、なんとそのまま教習所の申し込み用紙にサインをすることになってしまった。ドイツ語がわからないだけでなく、車に関する専門用語なんて日本語でも知らなかったのだから、本当に無謀というしかない。先生もさぞ困ったことと思うが、実は友人と事前に相談し合い、お互い納得済みだったそう。知らなかったのは私だけ、ということか…。 教官は英語など一言も話せないので説明はもちろんドイツ語のみ。車に関することなど一切わからないまま、次回の路上教習の予約を取って先生に家まで送ってもらった。 初回教習の日はなんと1月。どこもかしこも真っ白な雪だらけ。不安な私を運転席に乗せ、助手席に座る先生は「ペダルの操作は僕がするから、君はハンドル操作の感覚を覚えるんだよ」と微笑みかける。(他の国がどうかわからないが、ドイツの教習車は先生の個人所有車で、助手席の足元にも運転席とまったく同じ3つのペダルが並んでいる) はっきりは覚えていないが、確か高速道路上もわずかだが運転したような記憶がある。運転席に座るのもハンドルを握るのも生まれて初めてだという外国人に、高速道路を走らせるドイツ人教官…。ハンドル操作はゴーカートのようで難しいわけではなかったが、先生は「じゃぁ、2つ目の角を右に曲がった後、すぐに左の道を入ってね」などとドイツ語でぺらぺらと始終話しかけるので、はっきり言って運転どころの騒ぎではない。45分の授業はあっという間に終わり、私の不安はますます増大してしまったのであった…。 続く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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