Once in a Blue Moon

私は、車を走らせ親父の家に向かった

親父の奥さんに、何があったのか聞くために・・

奥さんは、驚いていた

『何があったん？今、お父さんから電話があったよ』

『喧嘩して、帰れと怒鳴った』と言っていたよ

こっちが聞きたいのだと、私は思っていた

『喧嘩なんかしてない』

『退院を受入れられない原因があるんじゃない？』

奥さんは、心当たりがあった

『実は、数日前から退院について聞いていた』

『でも、年金が入るのは12月なので・・・』

『もし、今度言われたら12月に退院したいと言ってくれる？』

と親父に言っていたそうだ・・・

『家具はこっちで、お金を払って処分してもらうから大丈夫』

『お父さんは、あなたが一番可愛いし、信頼しているから頼むのね』

『ゴメンね　心配掛けて・・・』

私は、原因を理解したが、何か釈然としなかった・・・

『家具は、知り合いに頼んで取りに来てもらうから』

『お金は要らないし、安心して』

『それに、何度も言うけど喧嘩じゃないから・・』

親父が再婚して、何十年もの間、釈然としないことがあるように思う

親父は、私に対して　罪悪感を持っているのか？　一番信頼しているのか？

奥さんは、私に対して　嫉妬しているのか？　或いは遠慮しているのか？

だから今まで、親父の家庭には係わらないようにしていた

突然、何も言わず、いなくなって・・・・

家にひとりになってしまって・・・・

時々、帰ってきて・・・・

会話も特に無く・・・・

お前は甘いと言われながら・・・・

そんな、記憶を消そうとしていたのに・・・

私には、『怒り』は感じられなかった

『寂しい親父の人生が目に浮かんだ・・』

＞＞＞＞＞つづく