カテゴリ:神さま・仏さま
閻魔魔大王 えんまだいおう 「地獄の沙汰も金次第」といわれるが、 閻魔大王が聞いたらなぐられてしまう。 閻魔大王さまは決して欲深な方ではない。 威武も屈する能わず、富貴も淫する能わず、 閻魔大王の目から見れば、 日本国憲法の条文のごとく、 すべて国民は法の下に平等なのである
「日本国憲法」第十四条もさることながら、しかし、閻魔憲法には、善悪、正邪を見合わめる鉄則があります。在世いかに名誉名声を得ても、また金銀財宝をたくわえてその根本なる精神、心のよこしまな者は、その天眼鏡によって見破られてしまうのです。汚職代議士先生、高利貸諸君、君らは閻魔大王さまがどんな方であるか、ご存じであろうか。つぶさに本項をひもといてもらいたい。
本名をヤーマといい、妹をヤーミと呼び、大王さまのお城は、地獄道にあり、冥官、すなわち亡者世中の是否曲直を判別するを天職としています。 つまりあの世の懲罰司法の大権を揺る大裁判長なのです。 大王の妹、女閻魔は、一切の女性を審判し、兄は男性を裁判します。ここでは男女共学は認められていないのです。 大王はあの世の安寧秩序を支況していますが、そこには}切の道悪不善を止め、諸芸を励まし、生類をあわれみます。すなわち誕生の善神といわなければなりません。 しかし法は厳としておかすべからずで、ここでは、生存中の罪業を記録し、罪の軽重を定めます。生存中に悪い事をした者には、剣の山に登らせたり、火の車に梁せて駆けさせたり、釜湯での刑を執行したりします。そのため大王は十八の将官、八万の獄卒、赤児、青見ら監守、巡羅を従えています。 大王の居城、地獄道はヂラカというのが本名で、瞻繕那(ゆぜんな)の底にあると「婆沙論」にあります。ここは、根本地獄ヽ近辺地獄ヽ孤独地獄の三州に分れ、それがさらに37 各小国に区分されています。 これを次に列記してみましょう。
根本地獄=等治、黒縄、衆合、号叫、大号叫、炎熱、極熱、無熱。 近辺地獄=(火君)燥増、屍糞増、鋒刄増、烈河増。 孤独地獄=山野曠原空中にたちまち現われる地獄。 以上百三十六の地獄国があります。 そこには残忍ではあるが、針の山、血の池、おへその抜取り、舌のシチュー製造場まである のです。
さて大王のご面相ですが、よく 「借りる時の地蔵顔、返す時の問屋顔」 といわれこの大王を醜顔、ぶ男の代名詞にしているが、これは当たっているといえます。しかし、妹王は可愛い者で女らしく蓮華を捧げて立っています。兄王は正義と忿怒とを加えて、こね回したような面構えです。 冠を戴き、椅子に腰かけて、手に笏板を持ち、ぐっと大眼をむいています。その脇には、浄琉璃の鏡をおき、亡者の悪事を手に取るように写しとって、手帳につけるのです。いわゆるこれが、われわれ学生時代こずきまわされた「閻魔帳」の起こりです。 人間最後の価値は、実はこの地獄で決定されるのです。 ことわざにも「棺をおおいて事定まる」というのがあります。 棺のふたをした後に、その人の生前の事業や性行の真価が決定するのです。 大岡越前守以上の名判官が地獄におられる間、人間道の人々は善を尽くさなければならないのです。未来永劫に。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年04月25日 11時59分35秒
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