カテゴリ:神さま・仏さま
迦(珂)梨帝菩薩(かりていぼさつ 鬼子母神) 「難波の芦は伊勢の浜荻」 という言葉がある。 つまり迦梨帝菩薩と鬼子母神とは同一人で、 迦(阿)梨帝菩薩はインドの仏さま、 鬼子母神は和製の仏さまで、 所に従って名の変わったまでである 迦梨帝菩薩はもとからの菩薩ではなく、観音さまや普賢さまとは経歴を異にしています。 初め彼女はインドはマカダ国に生まれたハーリーティーまたはアリティーと称する女でした。 インドは名門、王金城の夜叉(鬼神)の娘で、結婚して五百人の子を生んだ。 (千人あるいは一万人ともいう) しかし、夜叉女のつねで性質は凶悪で、人の子を殺しては食べ、 そのため人々は怒りの色である青色の意味の、迦(詞)梨帝女という名で呼んで非常に恐れ、このことを釈尊に告げたのです。 釈尊は末子のピヤンカラを隠したので、鬼子母は狂乱し、一切智者であると聞いている釈迦の下におもむいたのです。釈尊は彼女をいましめて、 「たった一人の子を失っただけでそのように苦しんでいるが、 まして人がその子を殺されたときの悲しみを考えねばならぬ」 とさとした。 兄子母は二度と人の子を殺さぬことをちかってピヤンカラを返してもらい、以後釈尊の説法をきき帰依したといいます。 かくして前非を悔い改め、仏兪を奉じ、一切女に無畏を施すべく誓って、遂に菩薩までになったという、一大ドラマの女主人公であります。 しかもその身相は天女のように美しい。順に宝冠を戴き、膚は白紅色というから、さぞ美麗であったことでしょう。 「その口で、トカゲ食うかや山ほととぎす」 もとは鬼女でも今はれっきとした菩薩さまであります。 豊満な肉体美で、宝台に腰かけて右足を垂れ、左足は台上におき、そして左手に一子を抱き、右手に吉祥菓(きちじょうか)をもち、周囲をなん人かの子どもにとりかこまれている。 さて、この迦梨帝を義訳して、鬼子母神としたのが、日蓮宗の開祖日連火聖人です。東京都豊島区雑司ヶ谷にその本籍地を作ったのです。 日蓮宗で鬼子母信仰がとくに盛んであるのは「法華経」のなかに、鬼子母らが釈尊に「われらもまた、法華経を読誦し受持する者を擁護せんと欲す」と唱えたとあるからです。
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最終更新日
2021年04月25日 11時59分03秒
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