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2019年04月18日
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カテゴリ:食べ物 飲み物

酒の歴史 酒の語源

 

 「日本釈名」には「避くるなり風寒邪気を避くるなり」「避け」、すなわち酒と言うのである。

これはどのように考えてみてもコジツケのように思われる。

また、他の説では栄え水の意であると言う。「古事記」雄略天皇の歌に、

「(前略)今日もかも、さかみづくらし」

と酒のことを「さかみづ」と言っている。

このほか「万葉集」「神名帳」などにも「さかみづ」の語がたびたびでてくる。

酒のめぱ自ら栄えるような気になるので「栄え水」の名が起り、後に「さかえ」となり「さけ」となったという。

 「さけ」よりもさらに古い言葉に「みき」と「くし」がある。「古事記」神功皇后の歌に

  

この御酒は我御酒ならず、酒の神常世に居ます、

いはたたす少名御神の神寿(かむほ)ぎ寿(ほ)

き狂ほし豊寿き寿き廻(もと)ほし

献(まつ)り来し神酒ぞ空(あ)さず召せさゝ。

 

とあるが、「くし」は「怪し」または「奇し」で不思議という意がある。

原始時代に酒の作用を驚嘆して「くし」と呼んだのは第一次的な自然の感情の発露であろう。

また「くし」は薬の古語でもある。思うに太古は酒も薬として用いられたので、この名が起ったと想像される。

「古事記」応神天皇の歌に

   すゞこりが、

かみしみきに、

我酔ひにけりことなぐし、

えぐしに、

我酔ひにけり

 

 酒の異名を「さゝ」と言う。これは支那で竹葉というのから起ったもので、謡曲「程々」に「さへの葉の露」とあるのはこの証である。本来、宮中で用い始めた言葉である。

 

竹葉の起源については二つの説がある。一つは漢の時代に劉石という子供があった。その継母が実子には良飯を与え、劉石には糟糠の飯を与えた。劉石は食べられないので木の股におき、竹葉を覆っておいたら良酒ができた。後にこの方法で酒を造り、天子に献じ、造酒業で富を得たと言われた。

もう一説は、宜城壁から出る酒に「竹酒」と言うのがあるが、元来、竹葉の露が溜って酒になったと言うことである。

  古い書物には酒を「みわ」と記したのがある。東雁には土佐の三輪川の水で酒を造り、良酒を得たか らであると記してあるが、これは奈良県の三輪神社が酒の神様で「うま酒の三輪」は歌言葉になっているので、この社から起った名である。

ど濁酒を白馬というのは色からきたもので、ドブコクというのは、汲む時の音からきた名である。この

ほか古書にある名に

「ながるる霞」「かえなし」「はるの風」などがあり、

「物類呼称」という本には、

  「いさみ」(出羽)、

「ごまのはい」(犬和犬峯)、

「けづり」(江戸大工)、

「鬼殺し」(江戸)

などの名がある。

「鬼殺し」は辛烈の酒の意であるが、落語には「村さめ」とか「庭さめ」の名がある。

「村さめ」は一杯 引っかけて村を出外れるころ醒め、

「庭さめ」は庭に出ると醒めるという落ちである。

  支那でも蔀柴という異名がある。柴が燃えるとカッと熱くなるが、すぐ消えるという義である。      

 

南方諸島の中でも有名な宝島は、かつて文化映画で紹介されたことがあるが、この島では今でも祭礼の数日前に、婦人が岩陰にかくれて噛んで造るそうである。この酒を味わった人の話では、ただ甘いだけでアルコールの気は感じなかったとい作が、おそらく実感であろう。大隅半島の東河岸の村でも、祭の酒をこの方法で造るところが現存しているそうである。

 

「かむ」が「かもす」の語源であろうと想像されているが、別説では本居室長の「冠辞考頭註」によ

れば、「かもす」の語原は「かぴ(微)す」 で、これから「かもす」 に転じ、さらに「かむ」となった

もので、「かむ」から「かもす」となったのではないというが、傾聴に値する説である。醸造には微を

使用することから考えると、「かびす」から「かもす」となったと解する方が「かむ」から転じたとするよりも合理的で、私はこの説に賛成である。

 

神に供える食物を「みけ」という。「ぎ」は酒で「け」は饌の意である。

「き」も「け」も上古には同意に用いられ、木を「き」とも「毛」とも言い、酒を「き」とも「け」とも呼んだ。「け」は消耗品で消えるというころから起ったと言う。また一説には酒は勢をつけるから「いき」と言い、後に「き」となったとも言う。

 

 酒の異名を「さゝ」と言う。これは支那で竹葉というのから起ったもので、謡曲「程々」に「さへの葉の露」とあるのはこの証である。本来、宮中で用い始めた言葉である。竹葉の起源については二つの説がある。一つは漢の時代に劉石という子供があった。その継母が実子には良飯を与え、劉石には糟糠 の飯を与えた。劉石は食べられないので木の股におき、竹葉を覆っておいたら良酒ができた。後にこの方法で酒を造り、天子に献じ、造酒業で富を得たと言われた。

もう一説は、宜城壁から出る酒に「竹酒」と言うのがあるが、元来、竹葉の露が溜って酒になったと言うことである。

  

古い書物には酒を「みわ」と記したのがある。東雁には土佐の三輪川の水で酒を造り、良酒を得たか らであると記してあるが、これは奈良県の三輪神社が酒の神様で「うま酒の三輪」は歌言葉になっているので、この社から起った名である。

濁酒を白馬というのは色からきたもので、どぶろくというのは、汲む時の音からきた名である。このほか古書にある名に

「ながるる霞」

「かえなし」

「はるの風」

などがあり、

「物類呼称」という本には、

  「いさみ」(出羽)、

「ごまのはい」(犬和犬峯)、

「けづり」(江戸大工)、

「鬼殺し」(江戸)などの名がある。

「鬼殺し」は辛烈の酒の意であるが、落語には「村さめ」とか「庭さめ」の名がある。「村さめ」は一杯 引っかけて村を出外れるころ醒め、「庭さめ」は庭に出ると醒めるという落ちである。

 支那でも茆紫という異名がある。柴が燃えるとカッと熱くなるが、すぐ消えるという義である。

 






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最終更新日  2021年04月25日 11時18分36秒
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