2297379 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2019年05月10日
XML
カテゴリ:山本勘助
山本道鬼入道(勘助)百目録聞書

50、
 念を入るゝには朝出立の食事争調る砌旅籠代を拂説宿へ申付昨夕宿着の刻限
等手形立を書出さずべし。道中前後の場所刃傷の事変れる珍事有時往来を止め
て旅人を改る時には右の手形を出して證據を云述通るに益有。

51、
 旅行は勿論常々宮寺へ参詣し茶屋等へ立寄り休息の折から不知人と馴々敷物
語して長居すべからず。いか様の事出来し見捨がたき事あり慎べし。

52、
 下女下男を召抱に分別あり。男は尋常の手形にて宜し。下女の證文は念を入
べし。左の文言を入させべし。此女未縁邊々之約束無之何方より、茂搆無之御
安心可被召仕候勤仕候中懐妊致候共親類より、御主人江六ケ敷義不可申掛相手
同志の相封に可仕候。

53、
 下人を召抱るに第一生国を尋べし。寒国の生の者の暖國にて仕よし。暖国に
て生の者は寒國にては仕難し。是等の心得あるべし。

54、
 数年召仕譜代恩顧の男女たりとも寝床へ呼付まじ不得止事用事有ば老女か少
女へ用事申付べし。取分金銀出し入の所を見せまじ。下人は有信無義目にふれ
己が一念発起の欲心より邪の悪事仕出す事あり。

55、
 召仕の男女若密曾の不埒あらば双方とも斬罪と古今とも武家の重き定法也と
云共色情は富貴の名主も下賤の者も陰陽合体の道人たる者にかわりなし。右様
の事あらば主人勘弁して双方召出し当座のたわむれ歟夫帰の契約歟聞届べし。 死生とも申合契りたりとの事ならば宥免し罪の程をゆるし所帯を持すべし。
 左候へば男女共心魂に徹し忝き事に思ひ込事有時先途の用に立事有べし。□
今川了俊の條目に為恩死者は少く為情死者は多しと書れし也。

56、
 下人を召仕ふに心得あり。大寒大暑風雨の砌遠方へ使に遣し帰宅遅しとて呵
べからず。天気柑別而太義也食事して休候へと賞すべし。左すれば下人疲れの
心なく追々重る用事有りても進んで勤るなり。下の忠不忠は主たる者の心中心
にあり考へ見るべし。

57、
 上たる者時に応じ遊興酒宴せば下々の者共へ相応に何成共手当すべし。
   兵書云上下哀楽供ニスレバ無不成

58、
 主人不行跡か了簡違非義有時家人諌る推参也、と以の外に呵れ主従にほこる
べからず。自分恥かしとて勘弁ぜず怒るべからず。諌言の始終を聞屈べし。不
及とも聖代の諌皷を思ひ合すべし。

59、
 召仕の家人多少ともに心得あり。夫々得手不得手を見分け役前用事を可申付
其者不得手の用向不行届とて心に怒り立腹するは気随主人まゝ有もの他。何成
り共人に勝れたる業有者は常不益たり共、不可拾既に楠正成常に不用の泣男を
扶持して一戦に大功を立たり。
   良将ハ不棄人良匠不拾木

60、
 主人より家人江物を給ひ褒賞する時いか程気に入たり新参たり共先にすま
じ。古参の者を先に賞すべし。下の者己より目上主を敬ふよふに成也。

61、
 其家に奮功ある家人の子孫法度を背く事有とも吟味の筋卒爾にすべからず可
成丈助命捌勘考すべし。不得止事を罪なり共密々能く喩し迯すべし。

62、
 我手鎗持ものゝ指料又馬の口取し者の腰の物を吟味したしか成業物を指さす
べし。軽き者にても主人の側にはなれざれば也。
    
63、
 無是非次第出来我家来を手打にせんとする時先實儀の家人壹人呼次の間へ扣
させて一方を明ケ置手討せん者を呼出し、しかじかの訳を申聞せ得とくさせ聲
をかけ討果すべし。我が怒りに乗じせき込ば打損じ取迯す時は水神汚名々得て
人前の交り後ち指をさゝるべし。又強勇の家人は却て主人を討て立退く事あ
り。然る時は子孫永々の恥たるべし。

64、
 山林を通る時夜中は猶更持鎗を心付べし。木の枝に鞘を引かけ抜る時は白刃
にては持せかたし。何にても常に替鞘を用意心懸べき事也。

65、
 夜道には必銘々着たる羽織を脱べし。若理不尽に切かけらるゝ有時持たる羽
織を曲者の面へ打かけ目隠として先を討べし。

66、
 夜中は手拭を腰に巻くべし(以下読み難し。文の終わりに三の徳有と也)
 (一本「寒夜は惣面をまき悪党を縛る時又ものを持つによし」とあり)

67、
 主人独り寝の所へ下人出るに間近く来る用向有らば四方々初め萬事眼を配る
べし。腰物を指て来らば猶更野心の程油断有べからず。不意の事有は笑種也。

68、
 朝タ馬の飼料は主人倶に世話ぬけめなく、下人江差圖可申付厩の下人は物毎
手荒く不行届也。毎朝乗責前に飼料厚く行届いたわり遣は畜類とても自然と人
の面を見覚え歓ぶ也。此恩を知て先途の用に立ちたる古来より例し有也。
   
69、
 紙縷(こより)を壹尺計り澁にていため所持すべし。白刃を交る時の柄へ巻
結びべし。血手のうちへ傳りても手心よし。

70、
 藁を和らかに打って二筋三筋懐中すべし。下人無き時はき物の緒切れ困る時
用意の藁にて緒をいか様にもすげベし。凡そ壹里程は用立也。

71、
 姉何程親敷輩友たり共我心腹又寝勝手の左右を語るまじ。深く慎有事也左の
古語を常々口吟すべし。
  交人話三分常可残七分昨花令塵埃昔友今怨敵

72、
 金銀の差引より損得に付て懇意の中に隔呉越事卑劣の甚敷也。金銀を用立時
合力の心入りにて真実實に用立べし。
 貸といふ心の返済を待故眞切を失ふ。此欲心をはなるゝ時は年久しく交りて
も争ふ事なし我が徳を失はず、
  晏平仲能人交人久敬之
 
73、
 我子不行跡を他人に頼て異見さする親は甚だ僻言也。愚か成子を他人披露す
るは親子情にあらず我分身の子なれば何が度も教訓すべし。再三教導して不聞
入放埒無頼の者ならば見切りて勘当すべし。

74、
 我子放埒にて金銀を遣ひ捨ば能々ためし見届聞糺遊所狂ひ又は無益の美麗を
好むかの事ならば側へ引つけ始終の損益世評の取沙汰天の御責等の恐身に取て
の揖益能利懈を説聞すべし。只博奕勝負事にはまり不聞入体ならば親子の縁を
裁って早く迫拂すべし。手後れにならば極めて後には盗賊と成者多し。

75、
 子の善悪邪正は親たる者の躾による事也。三歳己後言語を教へ五歳以上は起
居動静を指南し、七歳よりは手習をすゝめ八歳よりは読書習はせ十歳に至ては
身の行を第一主に忠親に孝他人たり共老を敬兄弟の差別は勿論子を慈むて教を
能し人の応対送迎式礼を合点さすべし。貴賤ともに教導躾第一也。年頃に相成
なま物知りに成ては時後れ也。

76、
 幼少の子供友たちを集遊戯するに可嫌友あり
  短気の生れ、悪口雑言、臆病、欲深き偽りを云、中言を云、懇意の友中を
  隔つ、他の噂譏、麁忽成、泣癖、盗心、美食美服を好、
 是は楠正成生立に安間某を介添としてケ條を書渡し育てさせ撰友の戒也とぞ。
77、
 懇意を見限り交りを断つに只一度にて見限べからず。三度迄は我心入をさと
しすゝむべし一度にて見限るは後悔する事有もの也。親類うち猶以の事也古語に、
  撰而後交則無恨 交而後撰則財恨

78、
 武士たる者人を討て迯立退は非強至極也。次第によって不得討果ば其意趣を
書記し腹切るべし。尤親有らば一旦立帰り親たちへ訳合を申述検使を受けて其
上に真気を静め、夫々へ挨拶し腹切るべし。

79、
 忠孝の二つ表と裏也。父兄の中に叛逆あらば一旦は諌言すべし。承引なくば
主君へ父の一命を乞受逆意の次第を明白に申佗其身は腹切て果べし。是則忠孝二つながら全き所なり。

80、
 人と交るに世上に何の望なきと云人に深く不可交貴賤ともに人望無と云事は
なし。望有ればこそ則今日の行跡を慎み不乱也。然るに何事も望無と云人は己
が心を本とし我慢気随成もの也。今日心能く交るとも明日は気随出て盡ると知
るべし。

81、
 人と予と理非を諭ずる折柄相手のみ非也と理を以云勝んと募る間敷連て間答
すべからず、理非間答に云募る上は互に討果より外なし。唯言を和らけ座を退
き再三了簡すべし。彌其許被申處理分にて某非義に極らばいかにも其許の心に
可被任と遠ざかるべし。遠退て互に介別ある時は何事なく濟もの也。郁ての事
一席一時に決行するは悪し心の琢磨第一なり。

82、
 武士は勿諭農工商の輩も天台真言の智識修験の行者へ便りて九字護身法の伝
授を受べし。武士は戦場に臨で覚悟の外の犬死を逃れ転運の徳有又常に妖怪に
浸されざるの益有る也。

83、
 毎夜臥す時此歌を吟じ枕神へ手向て吉。
  此うちへ来る人あらば名を告よ名字知らせよ我枕神
  胸江勝 腹江丞 臍江叶
 右の宇を指にて書へし。  
 
84、
 夜盗入ることあらば噪て聲を不可立静に起上定て此口より入べきと思ふ所へ
白刀を抜持提べし群有ば先最初に物見の盗人内の様子を伺に入也。とくと入済
して刺留べし。切るべからず。切りつけると聲を立るもの也。死骸を引退け脇
へ片付置べし。外に扣へ居賊は物見の賊立出て内の模様を告ざる故如何哉と忽
入處を見済し是をも刺殺べしさのみ多人数来るものにもあらず五人にても六人
にても我心を静めて壮遂べし。是に恐れ余は逃走るべし。心追ふべからす他聞
に賞美せらるゝ也。治平の御世たり共邊鄙の住居は心懸べし。

85、   
 治乱倶に飯米の出納に小役人を撰び、ひそかに申合二人前の扶持米を計る時
壹勺づゝ除き置べし。拾人分米にて壹合也。百日除け置ば飯米壹斗也。百入分
は壹石也。残戦國籠城してもはや兵糧払底と云時此除米を出し見れば 士卒驚
きまたも余計有るべしと心たしかに勵見彌力戦一ときは働く也。又冶世には連
年不作の時は貢穀少し此時に件の除米を取出し用益すべし。尤出納の役人を能
く可撰事也。其人を選ぶにはさまざま人に性分有り先可嫌は、
  物を惜ぬ生 酒を好む生 情愛深き生 無算用生 賄賂好生
 右之人品を楠正成兵糧奉行の五禁と定置れし也。

86、
 夜中の心懸には、四季ともに毎夜紙帳を二ケ處に釣置半夜づつ入れ替え寝べ
し。何れの紙帳に臥る哉家来共は勿諭妻子にも知らせまじ。是意昧事也。

87、
 近代家督の実子無き時は養子を貰て家督を繼せるに木意の事あり。又不本意
の養子あり、たいていの人情は時勢つよき家より迎ふる事不本意の養子なり。

88、
 先祖の霊魂祭亡霊も祝着あらん。血脈断絶を憂るは知れたること也。貴も賤
しきも手前親族の中より迎取養ふべし。尤父方の筋目有は順道也。父方に無ば
母方迎取べし。我が妻の続より迎取は逆の筋目也。家名の相続は先祖へ対して
の信義是より重き事なし。血脈絶るも是非なし。男女ともに養子を迎へば父方
を第一とすべし。

89、
 妻女を迎ふるに血筋正しく貞操の聞へ有るを吟味すべし。是又近世は濁世の
刃傷皆容色美麗のみを撰て筋目貞操は糺ず只々美(眉)目麗はしきを第一とす
ろは心得違也。古語に、
  妻者可撰箸 妾者可撰形
 媒の云事を信ずべからず。手づるの者を尋穿鑿すべし。第一親立へ孝目上を
敬ひ召仕の者共へ仁憐帝は質素の姓分か、花麗を好か、生姓寛なるか、急成
か、血筋と箸とを可味事容色の事は捨て又悪敷病の症等を聞糺すべし。

90、
 妻縁極り入嫁して式正の祝儀相済閨へ入り妻に同て詞を和らげ左のケ條を能
く申聞せ其返答を聞べし。
  一、今日より両親の腰元と改て萬専用向を達べし。
  一、内縁を頼て他向より申来ること麁忽に取次間敷事。
  一、手前召仕男女親疎之依怙有間敷事。
  一、産神詣先祖の墓参の外出間敷事。
  一、衣装に風流を不好質素に行跡有るべき事。
  一、遊芸を好て芸人を招まじき事。
  一、元上戸なりとも禁酒すべし。
  一、其事の理を云ふとも当座に憤り言葉返答有べからず。

91、
 妻を離縁するに五離の法有り。是は聖徳太子定め給ひし掟也とぞ。
  一、狐(口中の匂 惣身の中匂)有は懐妊せさるうち早く離別すべし。出
生の子に傳はる也。
  一、舅姑に不孝不埒は去るべし。
  一、娶ならば妾を抱へて子を出産させんとするに是嫉妬せは去べし。
  一、酒宴遊興を好遊山を好異見を用ひざるは去るべし。
  一、召仕の下男下女に親疎あらば去べし。


92、
 我心に応せず共離別ならざる五不離の捉有り。
  一、家督の男子を産たる妻は離別ならず。
  一、両親の病中を能介抱し、先途を見届呉たる妻は去がたし
  一、倹約を能守り家来の男女を労り、下知に伏し、恐敬する徳の妻は去が
たし。
  一、夫不行跡か主君へ不忠の筋に身命を拠って諫争する妻は去がたし。

93、
 諸芸の稽古古近代は古へと違ひ下より昇進する事をまたるく思ひ初心より上
達の心有は甚た悪し。下より段々上りてこそ益あり。勤仕する士の立身出世も
同じ事也。
 必打越して先を急ぐべからず。却て先を先をと打越し急ぐ時は人を掻退け悪
き邪心発起する也。童の手跡以呂波より書覚ゆると同じ順路を運ばざれば往く
べき所へは行れざる也

94、
 海川へ乗船するに心中に覚悟あるべきは我没水して果る死地は爰也と決定し
て乗る時はたとへ風波荒くして船中覆に及ぶとも舟暈なし。

95、
 洋中の大灘にて波荒船危く早没水の輩ありとも我壹人は心溺死せざる心得に
て早く纜近くへ立寄り上帯を纜へ引通し、手をはなさず拳をしかと抑へし船覆
へり。乗人荷物を海へ落し果ると般軽く浮くもの也。さすれば身命を保つ也。
 又纜へ立よりがたくば草籠やうの物に取つき離るべからず。何程重き荷物な
りとも沈み果る事なし。是にに抱き付しかと取付居れば水に没るゝ事なし。其
内には助船来てあやうきを遁るゝ也。此心得は北海より上方筋へ廻船渡世の船
頭某教へくれし事也。

96、
 近代一番鎗一群鎗の武功を流言ずる者は沙汰なし。但五十年も以前は三番鎗
の名称始まれり。三番鎗と云事は前は聞かざる也。味方長柄之者敵江進みかゝ
る時は形を顯はし左右へ進み出る者是一番二番の鎗功名なり。然れども場数を
多く踏たる輩は跡を引付鎗を入る故討死せず。場数を踏ざる者は只々武功手柄
のみを心懸てはやり一番鎗入る時は跡の引付無故計死多し。

97、
 城乗の折柄一途に名誉を顯はさんと乗掛る故堀内より打出す鉄砲に当り塀へ
乗りかゝる所にて宜敷打落さるゝ者多し。全く心懸行届かざれば也。鎖羽織又
は常の羽織なりとも鎌に打かけ前楯となして塀へ乗かけべし。若鎌をはなしが
たくば手鎗を横たへそれへ羽織を打掛て楯とし乗べし。雨霞の如く来る箭玉に
ても身に受留ざる也。いか様にも気転をきかすべきこと也

98、
 城乗の心懸前方水沓を忘れすはくべし。何れの籠城にても堀を浚い深ふし水
を湛へ置もの也。當国は海何少し水馬鍛練なし。堀を是非とも越へざれば塀下
へ着がたし。都而一城の四方地面の高低立廻りの仕能き場所等豫め見積り心懸
ざれば一番乗を仕損じなば残念の至り也。

99、
 若市中にて怨みの敵に出会討果して其場所を立退くとき人家へ入て腰の物の
血をぬぐはざれは退き果しがたし厠へ入て厠の下たみの中へ身を差込んでから
何にても拭ふべし。中身乃血跡よく取るもの也。

100、
 主君不意に召るゝ時あわてゝ出まじく先づ召の御答をして次の間にて胸より
臍下へ心気をしづめ二三度撫下ろしてしとやかに罷出べし。我思はざる寄事を
御尋り時胸突うろたゆる也。主君の内心あわて者と見限らるれは我立身の障り
と成也。
聾珂ヒ

101、
 毎度閑暇の折妻子下人を呼寄大下の法度は勿論國家の掟等を読聞かすべし。
度々聞すれば能覚へて法度を背くことなし妻子や下人法度を背き犯すは主たる
者の精麁なる故也。

102、
 人生れながらにして麁相なるものなし。只心の動静によるもの也。動くもの
は危く静なるものは安し。
  斉家者在脩身脩身者在誠意誠意者在正心


此百目録者永禄元年正月雪降積りし日御陳間々歴々衆御伽に相詰山本道鬼入道
焼火之間に控居處御前より曽根内匠を以て道鬼入道江被仰下ば当時戦國たる故
弓馬兵術の稽古無暇は未練之若輩修身斎家の道に難取者容易に可心得條々を書
記し與へよとの仁命有之道鬼入道再三辞退也。又々被仰下ば若輩の諸士修身斎
家の道に至る時は信玄満足潤色也。
 必辞すべからすとの御懇命奉感て御前へ罷出奥祐筆宗白を招次第不同御詐容
有べしと右之條々水の流るゝ如く舌授して其に書て入ご覧に甚感歎ましまし所
々御筆々加へられ當参昵近の歴々十三人に賜ふ也。

 土岐殿 一條殿 犬山鉄斎 遠江守 一花堂 小笠原慶安 跡部大炊介
 長坂長閑 武藤喜兵衛 三枝勘解由 曾根内匠 御同明春阿彌
  
 武田家之面々聞傳へ書冩珍重せんと望し者も有しかど戦國の世の中故篤實の
人物希に而頑の意地合なる故冩し置傳ふる事各十三家の子孫断絶して今世に希
也。中巻伊勢守幸に冩置しを代々秘蔵し予米齢の加歳若き輩の為に止むもの
也。閑暇の折柄読覚へば武失心得方一助なるべし

   信州牧嶋在城 中巻伊勢守義貫
五代 潜龍斎義保





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021年04月21日 17時45分40秒
コメント(0) | コメントを書く
[山本勘助] カテゴリの最新記事


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

山口素堂

山口素堂

カレンダー

楽天カード

お気に入りブログ

9/28(土)メンテナ… 楽天ブログスタッフさん

コメント新着

 三条実美氏の画像について@ Re:古写真 三条実美 中岡慎太郎(04/21) はじめまして。 突然の連絡失礼いたします…
 北巨摩郡に歴史に残されていない幕府拝領領地だった寺跡があるようです@ Re:山梨県郷土史年表 慶応三年(1867)(12/27) 最近旧熱美村の石碑に市誌に残さず石碑を…
 芳賀啓@ Re:芭蕉庵と江戸の町 鈴木理生氏著(12/11) 鈴木理生氏が書いたものは大方読んできま…
 ガーゴイル@ どこのドイツ あけぼの見たし青田原は黒水の青田原であ…
 多田裕計@ Re:柴又帝釈天(09/26) 多田裕計 貝本宣広

フリーページ

ニューストピックス


© Rakuten Group, Inc.
X