2305796 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2020年06月13日
XML
カテゴリ:俳諧人物事績資料

水間沾徳 せんとく 『俳文学大辞典』 一部加筆

 

俳諧師。寛文二(1662)~享保十一(1726)六五歳。

はじめ門田沾葉、のち水間沾徳。別号、合歓堂。江戸の人。はじめ調和門の調也に師事。調也に随伴して風虎の江戸藩邸に出入りしたらしく、延宝五年(1677)ごろ、露沾(内藤風虎の息)から各一字を賜り、調也は露言、彼は沾葉と号した。以後、露言とともに調和系の俳書に入集する。同じころ同藩邸の常連である素堂の手引きで林家に入門、また山本春正・清水宗川に歌学を学び、のち同門の原安適と親交を結んだ。やがて内藤家に召されたらしく、延宝末年ごろ、国元の陸奥国磐城に赴いたが、天和三年(1683)、露沾の退身で出仕に望みを失い、貞享二年(1685)、風虎没後に致仕、法体となる。同四年(1687)ころ沾徳と改めて立机、露沾とともに調和系を離れ、素堂を介して蕉門に親しみ、其角と末長く提携する。芭蕉没後、其角・沾徳の両門は交流しつつ江戸俳壇の主流を形成し、両点者の俳風は洒落風と称され時流を主導した。其角没後はほかに有力宗匠のいないまま、傘下に江戸俳壇の諸派を糾合し、「大宗匠」と仰がれたが、俳壇経営には必ずしも積極的でなく、市中に閑を好む睡癖によって合歓堂と号したという。本所法恩寺に葬る。

『沾徳随筆』によれば、「本歌本詩を一重抜きて取る」または「その上を一曲あるやうに翻訳する」ことによって、古きを新しくする句作を重視し、しかも手際の跡を見せない緊密直裁な仕立てをよしとした。

 

編著、撰集『俳林一字幽蘭集』(素堂序)『文蓬莱』『余花千句』『後余花千二百句』句集『俳許五子稿』ほか。

*沾徳随筆 

著。享保三(1718)稿。全巻一つ書きの雑纂形態で、自他の詩歌俳語を記録し、評解など加える。後水尾院・飛鳥井雅章・鳥丸資慶・中院通茂・木下長嘯子・山本春正・清水宗川らに関する伝聞記事、中村少長(七三郎)・市川三升・赤穂浪士らとの俳交記録、原安適の沾徳句評、沾徳の藤原定家・武者小路実陰・芭蕉・其角評、素堂追悼句文、散逸俳書の序・跋や年々の歳旦・歳暮吟など注目すべき記録や言説が掲載されている。

 

……『沾徳随筆』に、素堂の逝去に対して、

 

 山素堂子、去る仲秋みまかりぬ。年行指折で驚く事あり、予を入徳門に手を引き染めて四十年、机上の硯たへて三十年、今に持来りて窓に置く。云々。

 

合歓堂沾徳。『江戸市井人物事典 』北村 一夫氏著。

   帯程に川も流れて汐干かな

   折りてのちもらう声あり垣の梅

 

 などの句でしられる合歓堂沾徳は、京橋五郎兵衛町(現在の八重州口六丁目の内)に住む通称水間治郎左衛門という刀剣の研師である。飛鳥井雅章が和歌のことで問題を起こし、岩城平に左遷された時、沾徳は俳諧の師でもあり城主である内藤露沾に選ばれて御伽衆として雅章に仕えた。雅章は配所に三年ほどいて京都に帰ったが、その時沾徳に「汝必ず和歌に携わるべからず。只俳諧のみ修業すべし」と言い残した、(『俳諧奇人談』)

沾徳は気骨のある人で播州顔赤穂の大高子葉(源吾)、富森春帆(助右衛門)神崎竹平(与五郎)、茅野涓水(三平)などの門人がいる。赤穂浪士の遺文中に俳句が多いのは沾徳の力に大いに預かっている。

 






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2020年06月13日 13時35分20秒
コメント(0) | コメントを書く
[俳諧人物事績資料] カテゴリの最新記事


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

山口素堂

山口素堂

カレンダー

楽天カード

お気に入りブログ

10/27(日) メンテナ… 楽天ブログスタッフさん

コメント新着

 三条実美氏の画像について@ Re:古写真 三条実美 中岡慎太郎(04/21) はじめまして。 突然の連絡失礼いたします…
 北巨摩郡に歴史に残されていない幕府拝領領地だった寺跡があるようです@ Re:山梨県郷土史年表 慶応三年(1867)(12/27) 最近旧熱美村の石碑に市誌に残さず石碑を…
 芳賀啓@ Re:芭蕉庵と江戸の町 鈴木理生氏著(12/11) 鈴木理生氏が書いたものは大方読んできま…
 ガーゴイル@ どこのドイツ あけぼの見たし青田原は黒水の青田原であ…
 多田裕計@ Re:柴又帝釈天(09/26) 多田裕計 貝本宣広

フリーページ

ニューストピックス


© Rakuten Group, Inc.
X