000000 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

山梨県歴史文学館 山口素堂とともに

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2021年04月20日
XML
カテゴリ:甲斐武田資料室

松本城と武田信玄 『塩』 兼葭堂雑録

 

信州松本の城は、いにしへ武田信玄の居城にして、深瀬の城と号せし所なりとぞ。

当時例年正月十一日塩市といふ大法会あり。生土宮(うぶすなみや)村大明神の社司、当日市神〔割註〕或は塩市大明神云。」と号し、城下の市中に社壇をかざりて神事を執行う。遠近よりこれに群参して賑わえるゆへ、観物放下師など夥(おびただし))くありてヽ隣国に無双紋日(ならびなきもんびなり。然るにまた城下の福家よりして、塩をすこしづつ紙に包み、参詣大勢に施す。

おのおのこれを受け得て家の土産とし、或は神棚に供える。この事はいにしえよりありて、その始めは最も久しい。

里人伝へて云、往昔戦国の折から、敵方よりして当国へ説運送の道を塞ぎ、国兵を苦めんとす。さる程に自から塩乏しく、漸に尽て国兵しばく気力を失ひ、幾難儀に及べり。然るに隣国の好みを以、越後の長尾謙信より塩を運送す。国兵これに力を得て戦いに敗せず。頗る勝利を得たりとぞ。その吉例によって、後世にいたりても尚「塩市」と号して是を祝うものなりと聞える。げに塩は五味の中にして、一日も欠くべからざるものなり。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021年04月20日 18時13分54秒
コメント(0) | コメントを書く
[甲斐武田資料室] カテゴリの最新記事


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

山口素堂

山口素堂

カレンダー

楽天カード

お気に入りブログ

9/28(土)メンテナ… 楽天ブログスタッフさん

コメント新着

 三条実美氏の画像について@ Re:古写真 三条実美 中岡慎太郎(04/21) はじめまして。 突然の連絡失礼いたします…
 北巨摩郡に歴史に残されていない幕府拝領領地だった寺跡があるようです@ Re:山梨県郷土史年表 慶応三年(1867)(12/27) 最近旧熱美村の石碑に市誌に残さず石碑を…
 芳賀啓@ Re:芭蕉庵と江戸の町 鈴木理生氏著(12/11) 鈴木理生氏が書いたものは大方読んできま…
 ガーゴイル@ どこのドイツ あけぼの見たし青田原は黒水の青田原であ…
 多田裕計@ Re:柴又帝釈天(09/26) 多田裕計 貝本宣広

フリーページ

ニューストピックス


© Rakuten Group, Inc.
X