カテゴリ:松尾芭蕉資料室
芭蕉文集 送 許六 辞
木曾路をへて奮里に帰る人は、森川氏許六といふ。 古より風雅に情ある人々は、 うしろに笈をかけ草鞋に足を傷め、 破れ笠に霜露をいとひて、 おのれが心をせめて物の蜜を知ことをよろこべり。 今仕官おほやけの為に、長剣を腰にはさみ、 乗りかけの後に槍をもたせ、 歩行若党のくろき羽折のも裾は風にひろがへしたる有さま、 武人の本意にはあるべからす。
椎の花のこゝろにも似よ木曾の旅 うき人の旅にもならへ木曾の蠅 許六云、両句一句に決定すべきよし申されけれど、 今滅後のかたみに二ながらならべ侍ると也。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年05月24日 17時30分29秒
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