カテゴリ:松尾芭蕉資料室
芭蕉文集 伊勢紀行跋 ねなし草の花もなく實も実らず。たゞいやしき口にいひのゝしれる、たはぶれこぞの世なるを、其角一とせ都の空に旅寝せしころ、向井氏去来のぬしむつまじき契有て、酒のみ茶にかたろ折りおり.甘き、辛き、しぶき、淡き心の水の浅きより深きをつたへて、終に一掬して百川の味ひをしれるなるべし。 ことしの秋いもうとをゐて伊勢に詣す。白川の秋風よりかの濱荻の聲を聞きて、とまりとまりのあはれなることども、かたはし書あらはしてわが草の戸の案下におくる。一たび吟じて感をおこしふたゝび誦して惑を忘る。三たびよみて其無事なることをおぽゆ。此人や此道に至れり盡せり。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年05月27日 06時21分04秒
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