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2021年06月14日
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カテゴリ:俳句観賞
俳句大歳時記 夏
解説 
夏というのは、稲が成り立つ意ともいい、また熱=暑が転じたものだともいう。俳句の夏は、立夏(五月六日ごろ)から立秋(八月八日ごろ)の前日まで。陽暦の五・六・七月がそれにあたる。
気象的には、六・七・八月の三か月を夏としており、実生活上も五月を春と呼び、八月を夏と呼ぶならわしである。三夏は、初夏・仲夏・晩夏の称。九夏は夏九〇日間のことである。統計によれば、日本各地の平均気温は立秋の前後をさかいとして、以後はしだいに下がっていく。
 
夏は、大きく雨期と乾期とに分けられ、前半は梅雨と呼ばれる雨期。北日本にはあまりはっきりとは現われないのが普通だが、関東以西ではしばしば大雨による災害が起こったりする。夏の後半に梅雨が明けてからは、旱天と猛暑の続く乾期となる。このころは、強い日ざしの影響も加わって雷雨の発生が多くなる。また北日本では、北方の冷気の影響で、しばしば夏らしくない冷たい夏をむかえる年もある。 (平塚和夫)
   夏
   
  淀舟や夏の今来る山かづら     鬼貫「兄貴句選」
  世の夏や湖水に浮かむ波の上    芭蕉「前後圓」 
  夏さへも荒磯行脚のうつけども   惟然「撹録師」
  ころがらん夏の青みのつづらやま  惟然「鳥の迫」
  そこつなる雲こそ出づれ夏の旅   路通「翁草」
  こころよき夕べぞ夏の天の川    閉更「三傑集」
  琴のはる三線の夏となりけらし   大江丸「俳殲侮」
  夕暮や夏の柱の倚り心       尾崎紅蔡「紅葉句帳」
  鼈(すっぽん)をくびきる夏のうす刃かな   飯田蛇笏「霊芝」
  夏真昼死は半眼に人を見る     飯田蛇笏「白嶽」
  星天に干しつるる衣や杣が夏    原 石鼎「花影」
  夏茶盌志野を好みて芝に客     富安瓜生「愛日抄」
  少年の早くも夏は腋(わき)にほふ  山口誓子「黄旗」
  戸隠の夏は短しさるをがせ     阿波野青畝「紅葉の賀」
  乳母車から指す夏の親子星     中村草田男「万緑」 
  描きて赤き夏の巴里をかなしめる  石田波郷「鶴の限」
  道にはや双肩萎えて夏地獄     石田波郷「雨覆」
  木々照らす月も夏なる煙草吹く   金尾梅の門「古志の歌」
  この夏やひさご作りに余念なく   杉田久女「杉田久女句集」
  赤紙の喇敗手に取り吹かぬ夏    平畑静塔(天狼)
  父親のくせあいきやうで姪の夏   星野立子(玉藻)
  かなしさよ夏病みこもる髪ながし  石橋秀野「桜濃く」
  汽鑵車(きかんしゃ)の排気小石を鳴らす夏    沢木欣一「塩田」
  ながかりし夏よ箸箱に箸の音    榎本冬一郎「背骨」
  夏も肌かくす和服に慣れ暮らす   山口波津女(天狼)
  夏哀し爪もて爪の垢掘りつつ    楠本憲古「隠花植物」
  夜の舗道人絶え夏に疲れいる    榎本虎山(雲母)
  妻が病む夏(なつ)俎板(まないた)に微塵の疵     成田千空(万緑)
  砲台は滅びの色に眼を病む夏    伊丹三樹彦(青玄)
  流れと競はず夏の陰に在り     坂本木耳(塞雷)
  牛居るかなしき業を夏もする    本田青橐(天狼)
  カンバスにぶつかる色や夏を描く  荻野正夫路「四季選集」
炎帝 
  炎帝はすなはち吾や屋根を塗る   中島試錐「火口壁」
  炎帝の憪笑(かんしょう)に堪へ働けり      徳永山冬子(渋柿)
  かへり咲く藤炎帝に房をはね    内田ゆたか(夏草)
炎夏 
  画廊あり炎夏は人の空しきを    石田波郷(鶴の眼」
朱夏 
  阿武隈を窪ませ朱夏の水激す    太田鴻村(林苑)
  潰ゆ古墳なほ方円に来夏の声    武本素遊(河)
烈しき  
  九官鳥黒し烈しき夏なりき     甲田鐘一路「家」





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最終更新日  2021年06月14日 19時27分05秒
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