カテゴリ:甲斐武田資料室
武田信玄、兵略 車懸りを洞察信玄公、信州先方浦野と云ふ弓矢功老の侍を召し、物見にこし給ふ。浦野見て帰り御前に畏り、輝虎はのき候と申上ぐる。信玄公、積のよき大将故、被仰(おおせられる)は謙信程の者が、宵より川を越し、そこにおいて夜をあかす程にて、むなしく引きとるべきか、但しのきやうはいかんとゝひ給ふ。浦野申すは、謙信我が味方の備をまはりて、たてきり、いく度も如レ此候て、さい川の方へ、おもむき候と申上ぐる。 信玄公開召し、さすが浦野共、おぼえぬ事を申す者哉、それは「車がゝり」とて、いくまはりめに旗本と敵の旗本と、うちあはせて、一戦する時の軍法是れなり。謙信は今日を限りとみえたりと有りて、備を立てなほし給ふ。 (甲陽軍鑑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年09月13日 11時58分05秒
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