カテゴリ:武田信玄資料室
<信玄公 御感の事>(「甲陽軍艦」品第三十九)
上の手柄は、 その奮戦が、全軍の中でもっともすぐれて 神妙であったものとする。 また部下を持たぬ小身の者が上の手柄を立てた場合を、 その者一人の活躍によって、 主の御本意にそうことができたものをいう。 また、 国境地帯の戦闘などで出陣して自分の同心、 被官などが上の手柄を立てて活躍した者に対しては、 そのほう一人の奮戦によって数千の味方を力づけたとする。 また、 その者に劣らず奮戦し、手柄を立てた武士に対しては、 やはり神妙でみごとだとして感状を下される。 もしも、主人、寄親贔屓の者の意見によって 中や下の功績の者をよくいいたて、 そのために上の手柄の者が うずもれるようなことがあってはならないので、 旗本の廿人衆、御中間頭衆を通じて御触れを出され、 諸家中の人次が、合戦の手柄のことにつき、 申しあげたいことがあれば直接、 上申書によって申しあげるように、 とお触れになった。 だから、下の者においてもひそかな依怙贔屓はなかった。 これが陰日向を生じなかった原因である。
◎天正五年(1576)丙子正月吉日 高坂弾正これを記す。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年10月31日 15時24分00秒
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