カテゴリ:武田信玄資料室
<信玄公、人の御つかいなされ様>(「甲陽軍艦」品第三十九)
1、 第一にまず、陰日向がたいようにということである。 人々に陰日向ができるのは、恩賞を与えるにあたって、 功績の上中下をよく判断したいときだ。 忠節忠功を尽くして、奮闘したということもたい者に、 領地を下さるようなことがあれば、 手柄のない者たちは、 必ず追従をしてうわべをつくろい、出世しようとする。 そのために真の忠節忠功の武士をねたみ、 その悪口をいって、白分たちの仲問の者をほめたてる。 その本心は、主君のおんためなど考えもせず、 意地きたなく卑下して動くだけだから、 これが陰日向があるということなのだ。 2、 信玄公は、忠節忠功の武上に対しては、 大身小身によらず、身分の高低によらず、 当人の手柄に応じて、御感状、御恩賞を下さり、 人々が最演やとりなしをしても少しも役に立たなかった。 これによって人々の陰日向といったことは、 まったくなかったのである。
◎天正五年(1576)丙子正月吉日 高坂弾正これを記す。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年10月31日 15時25分00秒
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