カテゴリ:武田信玄資料室
<信玄公、御一代敵合の作法三ヶ条>(「甲陽軍艦」品第三十九)
1、 敵の強い点、弱い点をくわしく検討する。 またその国の大河、山城、財力のようす、 その家中の武士たちの行儀、 剛の武士が大身、小身のうちにどれだけいるかについて、 味方の物頭衆(指揮者)たちに、 よくそのようすを知らせておく。 2、 信玄公が仰せられたことで、合戦における勝敗とは、 十のものならば六分か七分勝てば、 それで十分な勝利であるとお定めになった。 とりわけ大合戦においては右の点がとくに重要である。 というのは、 八分の勝利はすでに危険であり 九分十分の勝利は味方が大敗を喫する下地となるから、 というのである。 3、 信玄公が仰せられるには、戦闘のしかたとして、 四十歳以前は勝つように、 四十歳から先には負けぬようにとのことであった。 ただ、 二十歳前後のころであっても、自分より小身な敵に対しては、 負けたければよいのであって、勝ちすごしてはならない。 敵に対しては、なおのこと右のとおりである。 十分な思慮判断のもとに追いつめ、 圧力を加え、将来を第一に考えて 気長に対処していくことが肝要だとのことである。
◎天正五年(1576)丙子正月吉日 高坂弾正これを記す。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年10月31日 15時26分00秒
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